現在、宅地建物取引士の勉強をする中で、今後の保険業界の未来の姿について、保険業界の進む道について予測するのに宅地建物取引業に課せられた規制が参考になるのではないかと個人的には感じています。
僕が携わっている保険業界も不動産業も消費者にとって高額な買い物であることが共通点としてあります。
監督官庁は、保険業界であれば金融庁、宅建取引業であれば国土交通省となります。どちらも監督官庁の規制権限としましては比較的厳しいものとはなります。
ただし、保険代理店の場合は、保険会社と保険代理店というように直接に監督官庁の規制等を受けてきたわけではなく、保険会社を通じての規制を受けてきたというところで、直に規制の矢面に立つことがなく、そういう面においては今までが温い環境であったように感じます。
ある面においては、保険代理店を規制する保険会社と保険代理店の売上向上は、利益相反関係にあるような気がします。
例えば、昨今の保険会社が掲げる保険代理店の規制に顧客本位があります。“顧客にとって有益な保険商品を勧めよう”なんてことが金融庁を主導に騒がれています。
一方で保険代理店の存続のための代理店委託基準という指標があります。
顧客本位を突き詰めたところこの保険会社の委託基準をクリアできず、委託解除となったり、代理店の報酬ランク維持基準を維持できなくなり、売り上げが下がったりと規制(お客様にとって有益な商品を勧めなければいけない)と基準(代理店が本来お客様に不利益とわかっていても売らなければ存続できない)に矛盾点があります。
時には、顧客にとって不利な商品を基準のためにあえて勧めなければならないということが起こりえます。
この相反状態を理解しないまま売上至上主義に走れば、いずれ代理店業からの退場を余儀なくされると思います。
話は変わりますが、世間では生産性なるものが叫ばれています。
この保険業界に関して言うと、通信販売などでない限り、あまり生産性を高めて、顧客をうまく回すということには限界があり、なじまない考えだと僕は思います。
実際に生産性を追求していた以前勤めていた代理店のお客様は、今でも代理店の窓口となる営業の顔が見えないだとかの不平や、事故の相談などで電話をいただくことがまだまだあります。
顧客が支払う保険料には、サービスという対価があって初めて保険料を支払う価値を見出すので、保険に加入していさえいれば良いなどということはなく、今更ながらに誰で加入しているかがいざというとき重要だということがよくわかったなどのお話をいただくことがあります。
なぜなら保険とは、食品や商品のように見て触って食して等一目瞭然のものとは違い、実際に事故に遭遇したりしない限り、その保険の機能を感じることができず、難解な約束事だらけの商品なので、そこに人が介する重要性があるわけです。
僕の知る保険代理店の営業の方でも非常に品質の高い営業を自負し、実際に品質の高い営業をされている方はたくさんいらっしゃいます。
話は戻りますが、保険の募集人に課された規制などは、宅地建物取引業者に課された規制に比べれば、まだまだ緩いなあと感じてしまいます。
クーリングオフについてや、重要事項説明義務や罰則についての取り決めなどは、宅地建物取引業者のそれは、一歩先を行っています。今後の保険代理店業も宅地建物取引業のように規制されていくことは充分に考えられるところになります。
興味のある方は、一度宅地建物取引業法を学習してみることをお勧めいたします。以上、保険業界について考えることがありましたので書いてみました。







