2022年 3月 の投稿一覧

所有者不明土地の問題

空き家画像

相続関連の業務や宅建関連のお仕事をする方々にとっては「あるある」ではないかと思いますが、昨今の日本の現状として、所有者不明土地というのが、土地の流通を阻害していたり、再利用のためのコストとなっている現状があります。

所有者不明土地とは、法務省のHPによると、次のような土地のことを言います。

  1. 不動産登記簿により所有者が直ちに判明しない土地
  2. 所有者が判明しても、その所在が不明で連絡が付かない土地

何故このような所有者不明が起こってしまうかというと原因は、所有者が死亡し相続が発生したにも関わらず、相続登記が未了のままである場合と、所有者が引っ越し等により住所が変更となったにも関わらず、住所変更の登記が未了のままということが大きな原因となっています。

登記未了の原因として次のような背景があると言われています。

  1. 登記の申請は義務ではなく、申請しなくても不利益を被ることは少ない
  2. 都市部への人口移動や人口減少・高齢化の進展等により、地方を中心に、土地の所有意識が希薄化土地を利用したいというニーズも低下
  3. 遺産分割をしないまま相続が繰り返されると、土地共有者がねずみ算式に増加

特に相続に関わる我々士業の中には、土地共有者がねずみ算式に増加した案件を手掛けたという方も数多くいらっしゃるのではないでしょうか?

では所有者不明土地が増大していることによりどんな問題が起こっているのでしょうか?

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従業員が起こした事故の損害を従業員に負担させることの是非について

従業員の画像

先日、業務中Aさんが社用車を使用して、Aさんの過失で事故を起こしてしまいました。

事故の内容は、相手の車の対物賠償(修理費)におよそ20万円、社用車の修理代に80万程度かかるとの事です。

Aさんの勤務する会社からは、対物賠償のうち保険で充当しきれない免責金額分と車両保険に未加入でしたので、修理費80万円のうちの40%程度を負担して欲しいとの請求がありました。勿論、Aさんの不注意で起こった事故ですから加害者本人は、Aさんになる訳です。Aさんの勤務先の会社としても給与債務よりも上回る修理費を回収するために給与債務から相殺して弁償金に充当することも辞さないといった勢いです。

果たして、Aさんは会社の要望通り、弁償をしなければならないのでしょうか?

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