次世代半導体IOWN構想について

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先日とある面白いyoutubeを見ました。
次世代の半導体市場において、日本が世界を席巻し最先端の地位に躍り出るかもしれないという内容です。

ご存知の通り、半導体は、今や様々な分野で利用され、PCから自動車、宇宙に至るまで使用される重要な産業となります。

さて、半導体とは、どの様なものを言うか皆様ご存知でしょうか?何となくパソコンなどの内部に入っていて小さなチップ上のものを思い浮かべるかもしれません。

半導体とは?

そのyoutubeにおいて学んだことですが、

世の中の物質には、電気を通す物質電気を通さない物質があります。電気を通す物質のことを導体と言います。主に考えられるのは、金属類です。

電気を通さない物質を絶縁体と言います。主に考えられるのは、ゴムやプラスチック等です。

そして、導体と絶縁体の中間となる物質も世の中には存在します。シリコンやゲルマニウムと言った物質ですが、これを半導体と言います。半導体は、時には電気を通し、時には電気を遮断する性質を持ちます。

1945年にとある学者が、この半導体の性質をコントロールしようと研究を始め、半導体に不純物を混ぜたところ、マイナスの性質を持つn型半導体と、プラスの性質を持つp型半導体が出来上がりました。これらを並び替えておいてみたところ、出来上がったのがトランジスタダイオードとなります。

このトランジスタとダイオードが世紀の大発明となります。このトランジスタに外部から刺激を与えてやることで電気を遮断したり、通したりとコントロールできるようになります。つまりスイッチングによって電子機器を制御することができます。

普段我々が使うスマホやコンピュータというのは、我々が使う言語や数式を理解することはできません。二進法と言って、「0」と「1」だけを理解し、我々の言語を二進法に変換し、動いています。つまり大量の1と0を計算処理し、我々の言語に変換をして成り立っています。

この0と1を高速かつ大量にコンピュータに与えることができれば、性能はどんどん上がります。電気が流れた時が「1」電気が流れなかったときが「0」と言ったスイッチの切り替えで

0と1を作っているのですが、スイッチ1つでは限界があります。単純にスイッチが2個になれば処理速度も2倍、数が増えれば増えるほど性能も上がります。

しかし、単純にスイッチを増やせば増やすほどコンピューターは大きくなります。ですので昔のコンピューターは巨大でした。

しかしながら今現在の我々が使うスマホなどは、小さくて高性能です。それは、一つ一つのスイッチをどんどん小さくしていった結果、小さくても高性能化が実現されています。

今現在我々が使用するパソコンのICチップには、数億個から数十億個ものトランジスタが入っています。

この小さなチップの中どうやってそんなにも入っているの?と疑問に思う方も多いかと思いますが、今現在の最先端の回路は何と2ナノメートルです。

2ナノメートルと言ってもピンとこないかもしれませんが、スギ花粉の大きさが、30,000ナノメートル、インフルエンザウィルスが100ナノメートル、DNAが1ナノメートルと言われていますので、なんとDNAと変わらない大きさになります。

半導体を巡っての覇権争い

この半導体を巡って世界の国々が覇権を争っています。半導体は、車や冷蔵庫、スマホ、PC等ありとあらゆるところに使用されています。さらに兵器にも使用されます。半導体の性能が上がれば上がるほど強力な兵器も作ることができます。

そしてこの半導体の中で圧倒的に世界最先端を走っているのが、台湾の「TSMC」になります。先日、熊本県に工場を建設し、話題となっているあの「TMSC」です。2ナノメートルという半導体を作れるのは、現在においてこのTSMCのみです。ですので、世界中の大抵の半導体はこのTSMCで作られています。

TSMCは、日本の熊本県に工場を作ったばかりか、米国やドイツにも工場を建てています。では、何故、TSMCは工場を国外に作ったのでしょう?

これは、中国からのリスク回避のためです。中国は、世界の製造派遣を握るために台湾有事を起こして、何とか半導体をその手中に収めたいと思っています。そうなる前に工場を分散し、リスクを回避しようとしたのです。

少し時代をさかのぼること、この半導体の覇権争いの前に、ネットワークによる覇権争いがありました。つまり5Gを制する者が世界を制すると考えられていました。その時に覇権を争っていたのが、中国とアメリカです。これに先手を取ったのが中国でした。中国のHUAWEIが先に5Gの技術を完成させます。焦ったアメリカは、HAUWEIを市場から締め出しにかかります。ところがHAUWEIは、なかなか倒れない。何故ならHAUWEIのスマホは、性能がすごく飛ぶように売れます。その性能を支えていたのが台湾のTSMCであったという訳です。TSMCがHAUWEIに高性能な半導体を輸出しまくっていたおかげで、HAUWEIが高性能を実現できていました。

そこでアメリカは、半導体に着目し、TSMCに中国輸出の規制を掛けます。そこで、HAUWEIの体力をゴリゴリと削ります。ところが中国は、自国での半導体開発に乗り出します。なんと中国は自国で半導体を製造できるようになります。

今現在、半導体覇権をせいするため半導体開発に世界の国々が予算をつぎ込んでいます。アメリカ、中国、EUなどは、10兆円を超える予算をつぎ込んでいます。

日本の現状

我が日本は、半導体を下支えする寡占企業を多く輩出していますが、半導体そのものを作る技術はまだ遅れています。実は、一発逆転の切り札を日本だけが持っていると言います。

それが光半導体です。今日本は凄い技術を開発して実現しかかっているとの事です。今までの半導体は、スイッチのオンオフに電気を使っていました。このスイッチのオンオフににを使用するというのが光半導体です。光は、電気よりも高速で、半導体の回路を走るのが光となれば今の半導体の125倍もの性能がアップすると言われています。更には回路に電気が流れると熱くなりますが、光であれば熱を発しないため、バッテリーがほとんど減らず、スマホの充電は年に1度だけで済むと言われています。

なおかつ遠隔遅延がほとんどないため、遠隔手術や車の自動運転にも使用できると言われています。

そんな夢の様な技術を実現させかかっているのが、日本のNTTだと言います。この技術をIOWN(アイオン)と言います。まだ開発途中で2032年の実現を目指していると言っています。この夢の様な技術を完成させると一気に日本が覇権を握ると言われています。

IOWN構想は、世界を救うと言われています。最近はICTの発展で私たちの生活はどんどん豊かになっていますが、反面電気の使用量がめちゃくちゃ増えて行っています。そしてチャットGPTなどAIのトレーディングには更に膨大な電力量が必要と言われていて、経産省の調べによると2050年には今より10万倍も電力量が必要となると言われています。世界中のどこを探してもそんな電力はありません。その世界を救うのもこのIOWNが鍵となっていると言います。電気の代わりに光を使うので、電気があまり必要でなくなると言います。

このIOWN構想が成功しないと世界の発展も頭打ちと言われます。

最近話題のNTT法廃止もこのIOWNが絡んでいます。

このような背景を知ることにより、NTT法廃止についてや世界の動向についてもより深く理解できるようになるのではないでしょうか?

 

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