相続

贈与税の相続時精算課税制度について

備忘録のために記したいと思います。
今年の4月1日以降相続登記の義務化が始まることに伴い、相続の相談が増えています。長い間、親が亡くなったにも関わらず、相続登記をしないままにしてしまうと登記懈怠で過料に処されてしまうからです。

当事務所においても、法務局の登記事務のみを司法書士事務所にお願いした上で、相続登記の仕事を受けております。

つい最近も相続登記をお願いしたいという方からの相談をいただき、仕事を受けることとなりました。

今回の相談者は、お父様が10年以上前に亡くなり、不動産の名義がそのままになっておられるとの事です。

不動産の登記事項を調べると亡くなられたお父様の持分が3分の2、ご健在のお母様の持分が3分の1となっています。通常であれば、亡くなられたお父様の持分について遺産分割協議をし、相続人に名義変更という流れになり、将来にお母様が亡くなられた際に改めてお母様の持分について相続登記をするという流れが一般的な流れになるかと思います。

しかし、相談者からは、お母様がご高齢といういうこともあり、近い将来に2度手間となるのであれば、現段階でお母さまの持分についても生前贈与というかたちで、相続人の一人に名義変更をしてしまいたいというご要望がありました。

勿論、相続分遺産分割協議書生前贈与贈与契約書を経て、相続人の一人に名義を変更することは可能でございます。

ここで問題となってくるのは、相続の場合は、相続税の対象となり、生前贈与の場合は、贈与税の対象となり、相続と贈与では、税制が違ってきてその選択次第では、税金の課税が多くなるという問題がございます。

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市川市の行政サービスについて

役所の手続きの画像

例えばですが、人が亡くなった後、遺族は、故人の医療保険や年金その他諸々の資格喪失手続き届出を行わなければなりません。

葬儀を済ませ、49日の法要を執り行い、くたくたになりながらも、悲しみ暮れる暇もなく待ったなしで手続きをしなくてはなりません。

一度、手続きを経験された方は、非常に多くの手続きがあり、大変な労力を要する事はご存じであるかと思います。

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所有者不明土地の問題

空き家画像

相続関連の業務や宅建関連のお仕事をする方々にとっては「あるある」ではないかと思いますが、昨今の日本の現状として、所有者不明土地というのが、土地の流通を阻害していたり、再利用のためのコストとなっている現状があります。

所有者不明土地とは、法務省のHPによると、次のような土地のことを言います。

  1. 不動産登記簿により所有者が直ちに判明しない土地
  2. 所有者が判明しても、その所在が不明で連絡が付かない土地

何故このような所有者不明が起こってしまうかというと原因は、所有者が死亡し相続が発生したにも関わらず、相続登記が未了のままである場合と、所有者が引っ越し等により住所が変更となったにも関わらず、住所変更の登記が未了のままということが大きな原因となっています。

登記未了の原因として次のような背景があると言われています。

  1. 登記の申請は義務ではなく、申請しなくても不利益を被ることは少ない
  2. 都市部への人口移動や人口減少・高齢化の進展等により、地方を中心に、土地の所有意識が希薄化土地を利用したいというニーズも低下
  3. 遺産分割をしないまま相続が繰り返されると、土地共有者がねずみ算式に増加

特に相続に関わる我々士業の中には、土地共有者がねずみ算式に増加した案件を手掛けたという方も数多くいらっしゃるのではないでしょうか?

では所有者不明土地が増大していることによりどんな問題が起こっているのでしょうか?

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再転相続について

相続写真

もしもあなたの親が亡くなり、ご自身が相続人となり相続が開始したとします。

その相続財産が正の財産のみであればよいのですが、負の財産(親の借金や連帯保証人の立場)が含まれていたとして、無制限に親の負の財産までを相続しなければならないとしたら、相続をきっかけに苦しい人生を歩まなければならなくなってしまいます。

そこで、相続の制度では、相続財産を相続するのかどうかについて3つの方法が定められています。

  1. 単純承認・・・被相続人の財産を正の財産・負の財産含めすべてを無条件・無制限に相続する方法
  2. 限定承認・・・相続人が相続によって得た積極財産の限度でのみ、被相続人の債務・遺贈などの負債を負担するという相続の方法
  3. 相続放棄・・・被相続人の一切の財産を相続しないことです。

つまり、相続する財産が負債だらけの場合、限定承認相続放棄を選ぶ方法が、相続制度には用意されています。

では、ご自身が相続を開始し、限定承認や相続放棄をしたいと願ったとき、具体的にどのような効果があり、どのようなことをしなければならないのかを説明したいと思います。

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親ガチャについて

孤独を抱える女性画像

ネットやテレビでは「親ガチャ」などという言葉が流行っており、物議を醸しているそうです。

親ガチャ」の意味をネットで調べると、以下の様な意味になるようです。

「どんな親(家庭)から生まれてくるか? 」を指す意味のネットスラング。 「親ガチャに成功した」は、 生まれてくる環境や親に恵まれた事を指す。 「親ガチャ失敗した」はその逆に、 まともな親じゃない、親が貧乏など、生まれながらにしてハンデを負っていることなどを指す。

実際問題、首都圏の有名私立大学と呼ばれる大学の学生は、ある一定以上の年収がある親の元に生まれた学生が大部分を占めているという側面があるそうです。

米国やお隣の韓国においても、貧困層に生まれた負のループから脱出することは容易ではなく、現実的に否定できない側面があることは確かかと思います。

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遺産分割事件簿 審判編

遺産問題の画像

令和元年にお引き受けをした、不動産の遺産分割関連の仕事が、やっと解決の道筋が見える運びとなりました。相続の事件としては、非常に苦労した今回の経験について書きたいと思います。

個人情報のため事実を一部変えて記述しますが、今回の仕事はちょうど2年前の秋ごろにご相談いただいたことが事の発端でした。

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単身者の不安解消のための死後事務委任契約

フラワーアレンジメントの画像

両親の死を経験された40代・50代の世代の皆様の中には、「死」に現実的に直面したことにより、ご自身の死について以前より一層考えることが多くなった方もいらっしゃるのではないかと思います。

かく言う僕自身も、一昨年前に実父を亡くし、より死が身近に感じられるようになりました。

通常は、死後のことを残された遺族に任せることができた我が亡父のごとき場合であれば死の尊厳を保つことに不安はないでしょう。

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行政機関の保有する個人情報の開示請求

法務省の画像

今後の備忘録のために記したいと思います。

百戦錬磨の先生方であればご存知かとは思いますが、相続業務を行う中で被相続人帰化してるケースがあります。

被相続人の戸籍を集めると、当然ながら帰化以前の戸籍は取得することができません。

とはいえ、相続に関しては、相続人の確定作業が当然ながら必要となりますので帰化以前の家族関係についても調査が必要となります。

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墓じまいと離檀料について

お寺の画像

今あるお墓を廃止して、お骨を新たなお墓に引っ越すことを「墓じまい」あるいは、「改葬」といいます。

近年、次のような理由で「墓じまい」をする人が増えています。

  • 遠方にお墓があり、墓参ができず心苦しい
  • 高齢のため体の自由がきかずお墓参りができなく心理的に負担となっている
  • お墓の維持管理等経済的な理由で、永代供養としたい
  • お墓を継承する子供がいないのでお墓を処分したい

公共霊園や民営霊園でない限り、お墓を引っ越すということは、お寺の檀家から離脱することになり、これを「離檀」といいます。

近年、離檀に伴いお寺側から檀家に対し数百万円以上もの高額な「離檀料」を請求される例が増えています。

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「改ざん、紛失対策」自筆証書遺言に係る遺言書の保管制度

遺言書の画像

2020年7月10日をもって「法務局における遺言書の保管等に関する法律について」が施行されます。

現在、僕自身も来る7月10日をもってこの制度を利用する予定の案件が2件ほどございます。実際の運用面での規定がずっと未定であったため、保留状態になっているわけですが、法務省のHPにて4月20日付で一部詳細が告知されました。

コロナ騒動により今日現在まで、調べることが後回しとなってしまっていました。

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