ようやく酷暑が一段落し、徐々に秋の深まりを感じているところ皆様いかがお過ごしでしょうか?
僕の近時の感想としましては、コロナ禍のなか確実に経済は動いており、今までにないほどの多忙を極めています。
本当は、皆様のお役に立つ情報の記事を書きたいところですが、余裕がなく書くことができません。
原因として一つには、僕自身が積み重ねた努力の結果、より役立てる知識の深さと幅が拡がり、一人一人の顧客からの依頼やら相談事が増えていることにあります。
喜ばしい限りではありますが、正直時間が切迫していてサラリーマン時代と比べると、通退勤を気にしないで済むとは言え、通退勤に該当する時間や休日も含め仕事に時間が割かれるために却って労働時間が増えたといった感想です。
相談の中身としては、法律的な事柄や事業に関すること、許認可に関すること保険に関すること等様々なご相談をいただきますが、中には私的な悩み事など行政書士では通常対応できない夫婦のことや人間関係のことなどもご相談いただくことがあります。
あるお客様の件です。人間関係が破綻して苦しんでいらっしゃいます。僕にとっては、10年来のお客様で人間としてとてもまっすぐで尊敬をしています。
電話口での開口一番「〇〇が言うことを聞いてくれない」「とても苦しい!どうしたらいいかわからない!」「○○が間違っていることを理解してくれない!」「〇〇は、常識がない」という出だしから始まります。
僕は、心理カウンセラーでも医者でもありませんので、何が正解なんてわかりません。でもとても苦しそうなので、胸の内を吐き出させるために聞きに徹します。
その言動から苦しさの根源は、その方の「考え方」から来ていると思っています。彼自身の考えを改めない限り、このループからは抜け出せないと思っています。
先ず、「常識がない」というその常識は往々にして、世間一般の常識ではなくご自身が考える常識だと思います。世の中には、自分の物差しで測れない様々な人間がいます。自分の物差し以上の人間を常識がないの一言で片づけるのは間違っていると思います。
誰かが言った言葉ですが、「人間は、それぞれが心のうちに地獄を抱えている」ということがあります。苦しいのは決して自分だけではなく、傍から見て幸せそうに見えるあの人も実は心に地獄を抱えて日々生きているんだということを理解することは非常に重要だと思います。
常識外れに見え、ついつい責めてしまう彼も心のうちには地獄を抱えていて、自分が到底味わったことのない環境で育っているかもしれないということを想像してみてください。
誰一人同じ環境下で育ったわけではないですし、その違った環境を排除することは誰にもできません。
特に士業として離婚や相続、親子関係等で非情に過酷な環境で育った人に触れることが多々ありますが、そのことが特段特別のことか?というと世の中には石ころのようにそこかしこにそのような方々がいらっしゃるということを肌身に感じることが出来ます。
「言うことを聞かない」「間違っている」と言ってみたところで、人の心を支配することもできませんし、人を自分の都合の良いように変えることもできません。そこを理解するべきです。
とはいえ、そのような僕の考えも、彼には届かないだろうと思うとどんなタイミングで、どんな切り口で僕の思いを告げてよいかがわからず、旧態依然のまま、定期的に同じようなお電話をいただき、何も解決することなく時間が過ぎていきます。
どうしたものか・・・
と悩んでしまう昨今の僕です。