危険負担について

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Aさんは、自宅の木造住宅をBさんに売ることとなり、Bさんとの間で自宅の売買契約を9月20日に結びました。代金の支払いと建物の引き渡しが、11月1日ということに決まりましたが、なんと10月1日に隣家の火事の延焼で、自宅が全焼してしまいました。

この場合、この売買契約はどうなるのでしょうか?


今回は、危険負担について書きたいと思います。

どうなると思いますか?

  1. 引き渡すべき自宅がなくなってしまったから契約は無効
  2. 売買契約自体は、有効だが引き渡すべき自宅がないので代金ももらうことができない
  3. 売買契約は有効で、引き渡すべき自宅はないけど、BさんはAさんに対し、代金を支払わなければならない

当然ながら、今回の自宅の全焼に関しては、Aさんに責任はございません。もちろんBさんにも責任はございません。

売買の目的が不動産ですから、代わりのものを見つけてきて売るということはできません。

答えは、3番になります。なんとBさんは、購入した目的がないのにも関わらず、代金を支払わなければなりません。

売買契約の効力は、契約時ですから9月20日に契約は成立し、契約は有効となります。自宅のような替えのきかない物(世界に一つしかない物)を特定物といいます。

特定物の売買契約に関して、今回のような引渡し前に物が滅失したような場合は、債権者主義といいまして、物を購入した側がその危険を負担するというルールになります。

なんだか理不尽にも思えますが、そもそも物を引き渡さなければならないAさん(債務者)にも責任がなく物が滅失してしまっているので、AさんにしろBさんにしろどちらが責任を負っても泣きを見ることになります。

民法では、特定物売買契約においての危険負担は、債権者主義をとっております。もちろん、不特定物といい、量産された品物で万一、滅失した場合でも代わりのものの納品で賄えるものにつきましては、債務者主義といい、販売側が責任を負うこととなります。

以上、危険負担についてでした。

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