養子縁組についての問い合わせをいただきましたので、今回は、養子縁組について書きたいと思います。
実の親子関係にないにもかかわらず、法律上の血縁関係を創出しようというのが養子縁組制度となります。
実の親子関係にある関係を自然血族といいます。対して養子縁組によって血縁関係を結ぶ関係を法定血族といいます。
目次
1.養子縁組の目的
養子縁組をする目的は、様々な目的があると思います。
例えば、実子がいないため、家業を継ぐ者がいない或いは、お墓などの祭祀主宰者となるべき者がいない等が考えられます。
最も多い例としましては、配偶者の連れ子と養子縁組を組むことが多いのではないかと思われます
その他に、相続税の節税のために養子縁組を組むことが考えられますが、こちらは要注意で、単に相続税の軽減を図るための便法として仮託されたものにすぎず、真に社会通念上の養親・養子関係を欲せず、縁組意思の欠如とみなされた場合、その縁組は無効となります。
過去には、一時的に養子縁組をし、相続を終えた後に離縁をした場合などで、無効となった事例があります。
2.普通養子と特別養子
ところでこの養子制度ですが、普通養子と特別養子という2つの制度があるのをご存知でしょうか?
特別養子について
特別養子とは、里親制度のようなもので、大きな違いは、普通養子の場合、実方の親とも養親の親とも当然には親族関係が終了いたしません。つまり、養子となった後においても、実親の相続をすることができます。対して、特別養子は、実方の血族との親族関係が終了する縁組となります。
完全に養親の子供となり、実方の親とは縁が切れます。
また、特別養子の養親は、夫婦でなければならず、かつ年齢が25歳に達しない者は養親となることができません。ただし、夫婦の一方が25歳に達していなくても20歳に達していれば可能です。つまり、夫25歳、妻20歳であれば特別養子の養親となることは可能です。
養子となるべき子供に関しても、6歳に達している者は養子となることができません、ただし、その者が8歳未満で6歳に達する前から引き続き養親となるものに監護されている場合は、この限りではありません。
※令和2年4月1日より養子となる子供の年齢の上限が、15歳未満に引き上げられました。昨今の痛ましい幼児虐待を受けての改正となります。
特別養子縁組をする場合は、家庭裁判所による審判が必要となります。特別養子縁組の成立には、実親がその意思を表示することができない場合又は虐待、悪意の遺棄その他養子となるものの利益を著しく害する事由がある場合を除き、父母の同意が必要となります。
※実親は、改正前は一旦養子縁組に同意をしてもいつでも撤回することが出来ましたが、一定の場合に撤回ができなくなるよう改正されました。子の命を最重視しての改正と思われます。
これは、昨今の児童虐待などにより、里親に出す方が子の福祉のために有益なのではないかという社会的な声の高まりにより成立した制度になります。
普通養子について
対して普通養子は、成年に達した者は養子をすることができます。配偶者がなくとも可能です。
普通養子の禁止事項と注意点は下記となります。
- 尊属や自分より年長者を養子とすることは出来ません。
- 未成年者や後見人が被後見人を養子とする場合は、家庭裁判所の許可が必要となります。
- 配偶者のある者が縁組をするには、その配偶者の同意を得なければなりません
- 配偶者のある者が未成年者を養子とする場合は、配偶者と共にしなければなりません。
上記規定に反する養子縁組は、取消対象となります。
3.節税としての養子縁組
相続税や死亡保険金、死亡退職金においては、基礎控除や生命保険の控除の制度があり、相続人が増えるほど、非課税の枠が増えます。
ですので、養子縁組をすることは、相続税の軽減効果があります。
ただし、無制限に養子をとって非課税枠を広げることは認められず、例えば、
相続人に実子がいて、養子もいる場合は、養子一人分のみが相続人としてカウントされます。
実子がいなくて養子のみの場合、養子二人までが相続人としてカウントされます。
節税としてよく使われる方法は、孫を養子にする方法となります。孫を養子とした場合孫には、相続税の2割加算がされてしまうのですが、孫の親が相続し、その後その孫の親の財産を2次相続した場合との相続税を比較した場合、孫を養子にしてしまった方が相続税が軽減されるケースがあります。
こちらを検討される場合は、必ず税理士等のプロに相談することをお勧めいたします。








