偽装一人親方契約企業問題について

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バックホーと職人

建設工業新聞の10月6日の記事に記載されている「偽装一人親方契約企業」の問題について情報提供したいと思います。

ちなみに一人親方(ひとりおやかた)とは、建設業などで労働者を雇用せずに自分自身と家族などだけで事業を行う事業主のことを言います。

本来一人親方が元請から仕事を受注するときの形態は、請負契約であり、元請と一人親方の間には指揮命令系統は存在せず、仕事を完成することを約し、その仕事の結果に対し報酬を得ることが契約の趣旨となります。

偽装一人親方問題

ところが昨今、明らかに実態が雇用形態にかかわらず社会保険加長時間労働規制などの回避を目的に本来、雇用すべき技能者(職人)を一人親方化した「偽装一人親方」と契約している企業が問題となっています。

自社で雇用している技能者を一人親方化することにより、企業は様々な負担を軽減することが出来ます。

例えば、従業員の場合、法人であれば社会保険の加入は義務です。その場合の社会保険料は、労使折半となり、本人負担と同額の保険料を会社としても負担しなければなりません。

また、事業主である一人親方は、労災保険の適用外となり、現場での災害は、現場の労災保険適用外となります。実質、契約内容を見ると、個人事業主として責任ある仕事というよりも、単に労働力の提供というような働き方で企業の中の技能者である従業員と作業内容・指揮系統とも何ら変わることがないにも関わらずです。

従業員であれば、会社として源泉徴収等の税金の管理、労務等の管理など管理事務にも労力が割かれますが、一人親方であれば、会社とは別組織ですから、税務・労務とも本人責任となります。

勿論上記の様な会社ばかりではないですが、一人親方とは名ばかりの一社専属の仕事しか行っていない実質雇用形態にあるにも関わらず一人親方として契約をしている会社が問題となっています。

問題の一旦は、こういった脱法会社が本来負担すべき金銭や労力を回避した結果、安い金額での請負が可能となり、ダンピングまがいに単価を下げ、仕事を請負うことにより、真面目に法令順守をしている会社が仕事を受けれないことにあります。

建設業の一人親方問題に関する検討会

上記を踏まえ、国交省は5日、産学官で構成する「建設業の一人親方問題に関する検討会」を開催し、違法性や技能者の処遇悪化などを説明しても是正されない場合は取引停止も視野にさらに指導するべきだとの声も少なくなく一方、適法な一人親方に対する処遇改善策の必要性も指摘されたようです。

また「技能者の意思に反し実態とそぐわない契約を企業側が強いているのは悪質な脱法行為」「当然法的な処罰を行うべし」など厳罰化を求める意見が寄せられたとの事です。

いずれにしろ、国土交通省は、業界の給与水準引き上げや、労働環境の改善のために日々動いています。

業界の関係者につきましては、我が利益のみを追求するのではなく、明日の業界全体ひいては日本国民全体の利益のために法令を遵守し、義務を果たした業者ほど仕事が得られるような仕組みづくりにご理解いただければと思います。

よろしくお願いします。

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