ドライブレコーダーを付けることの有効性について

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先日、損保大学のセミナーに参加をいたしました。

昨今ではあおり運転対策だったり、事故時の客観的な証拠保全のためにドライブレコーダーを自動車に装着する方々が増えては来ています。

とはいえまだまだ完全にドライブレコーダーが広くいきわたっている状況ではないと言えるのではないでしょうか?

先日のセミナーでは、実際の事故をもってケーススタディとし、ドライブレコーダーが役に立った事案を勉強いたしました。

事故の例

信号により交通整理が行われている交差点での四輪車同士の出会い頭事故

保険契約者側Aさんの説明

私は午前6時半頃、交通量の少ない道路を時速40~50kmで走行していました。

辺りはまだ暗い状態でした。

私は事故の起きた交差点を右折するつもりでした。

交差点の右折レーンに入って少し進んだ時、前方の信号が青から黄色に変わるのが見えました。

タイミング的に黄色で交差点を通過できると思ったので、減速せず交差点に近づきました。私が停止線を越えた時、前方の信号は、まだ黄色だったと思います。

私が右折しながら交差点の真ん中ぐらいまで進んだ時、突然相手の車が右側からすごいスピードで突っ込んできました。

とっさのことにどうすることもできず、次の瞬間には衝突していました。衝突の衝撃で私の車は少し左を向き、相手の車は私の車の左前方で横転していました。

事故の後で相手のところに行くと「あなた、信号無視でしたよね」と言うので、私は「まだ黄色でした。あなたが見切りで交差点に入ったからです」と答えました。

事故図面

契約者側の説明から皆様は、この事故についてどう思われますでしょうか?

そして、契約者と相手側のどちらに過失があると思われますか?

信号の色についてのお互いの主張は、真逆の主張で実際問題どちらの主張が正しいのか?実際の信号は何色だったのかはわかりません。


ところが、契約者であるAさんの自動車には、ドライブレコーダーが設置されている自動車でした。相手側の車にはドライブレコーダーが設置されていません。

そこでAさんにドライブレコーダーの映像を見せて欲しいと頼むと、Aさんはドライブレコーダーの映像の提供をしたがりません。

勿論、ドライブレコーダーの映像の提供は任意ですから、強制的に提供をしてもらうことは出来ません。

根気よくAさんを説得するとやっとのことで渋々映像を提供してもらうことができました。

映像を確認すると次のことがわかりました。

  • 交差点の右折レーンに入って少し進んだ後に信号が青から黄色に変わったのではなく、右折レーンに入る前に青から黄色に変わっていること
  • 交差点に進入の際に減速をしていないこと
  • 停止線を超える直前に信号が赤に変わっていること
  • 交差点に差しかかると右側から自動車が横切り相手車の左後輪付近に衝突していること

もしかしたらAさんは、この映像を見せることで自分が不利になると思い映像を提供することを渋ったのかもしれません。

もし、信号無視で交差点に進入し、事故を発生させたという事であればAさんの過失は100%に近い過失となります。

加えてAさんにとって不利だったのは、交差点付近で信号待ちをしていた目撃者である歩行者の存在がありました。歩行者は、突如の衝突音に驚き、事故の瞬間Aさん側の信号が赤だったことを証言しました。

信号サイクル

ところで皆様は、信号サイクルはご存知でしょうか?信号というのは、青から黄色そして赤、赤から青、黄色、赤というようにサイクルしているのは周知のことかと思います。

ご自身の信号がサイクルしているとき、相手側の信号はどうなっているのでしょうか?

実は、大きな交差点などにおいては、こちらが赤信号に変わったからと言って即時に相手側の信号が青に変わるという訳ではなく、「全赤」といって事故を起こさないよう両方の信号が赤となる時間があります。

当該事故の信号機の全赤時間を調べると3秒間であることがわかりました。

ドライブレコーダーの映像に則って衝突までの時間を調べると、Aさんの車は時速40kmで信号が黄色に変わってから衝突するまでの時間が2.9秒であることがわかりました。

そして、相手の車は時速60kmで交差点に進入していることがわかります。つまり、衝突時においては相手側の信号も赤であったはずです。

それを踏まえた上で、再度ドライブレコーダーの映像を確認すると衝突時の勢いで、Aさんの車が向きを変え相手側の信号の赤が映像に写っていることがわかりました。

実は相手側も信号が青に変わる前に見切り発信をし、赤信号なのに交差点に進入していることがわかりました。

 

事故というのは、様々な複合的な要素が絡み合って引き起こされます。人間の可視範囲や認知は、ドライブレコーダーのそれと比べると非常に限定的で狭いものです。一見ご自身の過失の証明になりかねないので映像の提供を拒まれる方もいらっしゃるとは思いますが、ご自身が把握していない情報もそこには映し出されている場合が多々あるので、やはりドライブレコーダーは非常に有効であると言えるかと思います。

目撃者についても突然大きな音がして、事故をみてもやはり主観的になりますし、実際問題、当該事故においては相手側の信号まで確認をしていないという事になります。

また、昨今は街中の防犯カメラが普及し、ドライブレコーダーがなくてもコンビニの防犯カメラ等で状況が確認できる場合が多くあります。

ですので事故の際は、積極的に映像を提供した方がよいのではと思います。

以上、ドライブレコーダーの有効性について記載いたしました。

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