先日、行政書士会の勉強会に参加したところ、興味深い話が聞けましたので、シェアしたいと思います。
行政書士という資格は、行政書士法に定める試験に合格した者、弁護士・税理士、公務員であったもので所定の経験を積んだものなどが行政書士の登録をして営業をすることができます。
今回参加した勉強会は、旅館業法の許認可に関するものでしたが、不特定多数の人間が集まる施設を運営する事業を営む者にとって切っても切り離すことのできない消防法についてです。
目次
Ⅰ.消防法第17条
今回は、元東京消防庁出身の行政書士の先生の講習で消防法についてのお話でした。
消防の歴史は、火災との戦いです。特に不特定多数の人間が集まるところ、例えば、飲食店、ホテル・旅館、学校、病院、工場、百貨店、地下街等の施設を特定用途施設といいます。
特定用途施設では、「火災危険」「人命危険」「避難危険」の対策を講じるため、特定用途施設の所有者・管理者・占有者は、消防設備の設置・維持しなければならず、管轄の消防署長に届出をしなければなりません。
また、定期的な消防設備士による検査・点検の義務を課しており、消防署長は、上記所有者・管理者・占有者に対し、報告命令権限を持っています。
つまり、消防署長には、人命救助のもと強烈な権限を与えられていることになります。
Ⅱ.火災の恐ろしさ
僕自身、あまり火事を身近に見たことはないですが、一旦火事が起こった場合、その火の力は、想像を絶するほどの速さで、燃え広がるようです。例えば、共同住宅で隣との界壁でのわずかな穴や、上下階の貫通孔のわずかな隙間であっても、火はそこから隣室に延焼して、あっという間に燃え広がるようです。
ですので、以前レオパレス21であった消防法令違反である
「界壁は、天井裏や小屋裏まで貫通してなくてはならない」
という法令に対し、それを怠っていたという事例は、まことに人命軽視で、儲け主義の手抜き工事といったことになるかと思います。
Ⅲ.消防法令の規制内容
消防法令の規制内容は、人命を奪った実際の過去の火災事故からの検証により成り立っています。
例えば、知らない土地への旅行でホテルに宿泊したとします。ホテルで火災が起こり、電源がシャットダウンしてしまったとします。つまり知らない建物で真っ暗闇となってしまうこととなります。そうなるとどこへ避難していいのかわからず、手間取ってしまったために火に包まれて死んでしまうということが実際にあります。
そういった経験から、電源が落ちても点灯する「非常灯」の設置や避難路を誘導するための「誘導灯」の設置が義務付けられています。
また、高層ホテルの高層階で火災が起こった場合、消火のためのはしご車で消火活動をすることになりますが、はしご車が届く高さは、10階相当までしか届かないそうです。その結果、11階以上の高さのホテルについては、11階以上にスプリンクラーの設置が義務付けられています。
その他2階以上のフロアが100㎡以上だったり、ある一定の広さの場合(利用客も多いので)当然火災の際は、避難する人間でごった返し、二次災害を引き起こしたり、あるいは、やはり逃げ遅れ火災に巻き込まれ人命を落とすことにもなります。
そのような事故から生じた結果、ある一定以上の床面積のある上階の場合、廊下の幅規制(最低1.2m以上や1.6m以上)や避難階段を2以上設ける等の規制が入ることになります。
他にも、火災報知機の設置(他の人にも火災発生を知らせる)、消火器の設置(初期鎮火の励行)など、人命救助のため合理的な理由から規制が成り立っています。
もし、このような法令を軽視するような特定施設の関係者がいた場合、消防署長は、設置命令や営業停止、改善命令等強力な権限を持って指導することができます。
また、これらの不特定多数の人を集め商売をしようとする方々には、事前に「消防法令に適合」しているかどうかの確認・検査を受け、消防署が交付する「消防法令適合通知書」を取得しない限り、業を営むことができません。
そして、消防法令に適合するためには、それ相応のコストがかかることになります。一説には、民泊や旅館に消防設備を設置したら、70万円~のコストがかかると言われています。
以上、消防法令についてでした。








