パナソニック子会社の施工管理技士資格等の不正取得について

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建設重機画像

先日ニュースでショッキングなニュースがありました。
ご覧になった方もいらっしゃるとは思いますが、記事(朝日新聞8月31日記事引用)は次の様な記事になります。

パナソニックは31日、国家資格の「施工管理技士」と、大規模な工事で配置が法律で義務づけられている「監理技術者」の資格を、グループ内の計522人が不適切に取得していたと発表した。必要な実務経験が足りていなかった。同社では2006年に200人超について同じ不正が発覚したが、その後も不適切な資格取得が続いていた。

 昨年秋に再び不正の疑いが発覚し、第三者委員会を設置して過去にさかのぼって調査した。その結果、1981年から昨年までに新たに施工管理技士で500人、監理技術者で38人(うち16人が重複)が不正に資格を取得していたことがわかったという。

 522人のうち100人超は、06年の問題発覚以降に資格を得ていた。不適切に取得した資格は取り消され、3年間は再受験できない。国土交通省は建設業法に基づき、同社に対する処分や同省発注工事の指名停止も検討する。

 

専任技術者と監理技術者

建設業法では、建設業許可を取得するには、その営業所ごとに、許可を取得しようとする建設工事に対し、専任技術者の設置が義務づけられています。

専任技術者となることができる者は、下記の通りです。

  • イ 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し学校教育法による高等学校による実業学校を含む。若しくは中等教育学校を卒業した後五年以上又は同法による大学若しくは高等専門学校を卒業した後三年以上実務の経験を有する者で在学中に国土交通省令で定める学科を修めたもの
  • ロ 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し十年以上実務の経験を有する者
  • ハ 国土交通大臣がイ又はロに掲げる者と同等以上の知識及び技術又は技能を有するものと認定した者

ハの具体的なものとして詳細は端折りますが、「施工管理技士」等の国家資格取得者となります。つまり、通常専任技術者となるには、「卒業証明書」等の学歴の証明と「携わった現場の請負契約書や請書等」での実務経験の証明が必要となりますが、国家資格を持っていれば、学歴・実務経験も関係なしで専任技術者となることができ、建設業許可を得るうえでは近道となります。

 

また、元請業者として一つの工事で下請に出す場合の下請契約金額が、4,000万円以上(建築一式工事では6,000万円以上)となる場合(消費税込み)は、会社として特定建設業の許可を取らなければなりません。(逆に言うと特定建設業の許可がなければ、大規模工事の元請けとなることは出来ません)

特定建設業の許可の中で、指定建設業と呼ばれる「土木一式工事、建築一式工事、電気工事、管工事、鋼構造物工事、舗装工事、造園工事業」に関しては、実務経験だけでは専任技術者となることは出来ず、かつ国家資格(施工管理技士等)でも1級・2級のうち1級の資格がなければ専任技術者となることは出来ません。

そのうえ4,000万円以上下請負契約を要する現場においては、現場の配置技術者は、監理技術者の資格を有する者でなければなりません。この監理技術者の資格を取得する要件は、指定工事業においては、やはり1級の国家資格者、他の22業種に関しては、おおよそ学歴にもよりますが指導監督的実務経験2年以上または、通常の実務経験10年以上が必要となります。

いずれにしろ、「施工管理技士」や「監理技術者」がいることにより建設業許可の取得も有利になりますし、公共工事の入札資格を持つ建設会社さんにおいては、技術者がいればいるほど経営事項審査の技術点(Z点)が高くなり、入札においても有利に働く事となります。

 

国家資格の実務経験

とはいえ、施工管理技士や監理技術者の資格を取得するにも実務経験が必要となります。実務経験については、下記の表の通りとなります。

1級施工管理技士 第一次検定の受験資格 資格:2級施工管理技士 実務経験 必要なし 学歴:大学卒 3年以上(指定学科以外は4年6ヶ月) 短期大学・高等専門学校卒 5年以上(指定学科以外は7年6ヶ月) 高等学校卒 10年以上(指定学科以外は11年6ヶ月) その他 15年以上

2級施工管理技士 第二次検定の受験資格 2級の第一次検定に合格しており、下記の学歴に応じた実務経験がある人 実務経験1年以上(指定学科以外は1年6ヶ月)/短期大学・高等専門学校卒:実務経験2年以上(指定学科以外は3年)/高等学校卒:実務経験3年以上(指定学科以外は4年6ヶ月)/その他:実務経験8年以上

同じように国家資格を取得する場合でも、実務経験が必要となるにもかかわらず、何故今回このような不正が起こったのでしょうか?

施工管理技士などの実務経験の証明がどのように行われ、誰が証明するのかというところが悪用されたと思います。先に触れたように建設業許可では、実務経験の真正の裏付けとして請負契約書等(請書と注文書や請求書と通帳)の原本の提示により確認がとられるのに対し、受験のための実務経験証明書は、会社による証明のため会社の実印を押させることで担保しています。

つまり、会社が虚偽の記載をし、印鑑を押してしまえば実体がなくとも実務経験として認められてしまいます。

今回は、このようなことが組織的に行われていたという事になるかと思います。

 

僕が言うべくもなく、公共工事は、国民の税金から行われています。そのような血税からの公共工事が、虚偽で技術力を粉飾した会社によって行われることは、あってはならないことかと思います。

建設業許可や経営事項審査、入札資格申請等にかかわるものとして、非常に腹立たしさを感じたニュースでした。

 

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コメント

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