国民負担率は経済を圧迫するのか?30年の推移から読み解く日本の制度的課題

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参議院選挙が、7月20日に行われますが、巷では選択的夫婦別姓だの移民問題だのと騒がれていますが、経済問題についても喫緊の課題でもあり、政策次第では、少子高齢化の歯止めにもなるかと思います。そこで国民負担率という観点から日本の現状を切り取り、どの政党に投票するのかの指標となるべく、今回は国民負担率について書きたいと思います。

国民負担率とは何か

国民負担率とは、租税負担率社会保障負担率を合計した数値で、国民所得に対する公的負担の割合を示します。近年ではこれに加えて、「潜在的国民負担率」(財政赤字等を将来の税負担として加味した指標)も注目されています。
2025年度見通しでは、国民負担率は約46.2%。潜在的には**約48.8%**とされています。


過去30年の推移から見る制度変化


過去30年間で、国民負担率は約11ポイント増加。とくに社会保障負担率が大きく上昇しており、その主因は少子高齢化に伴う医療・年金費用の増加です。

年度 国民負担率 租税負担率 社会保障負担率 備考
1996年度 35.2% 22.9% 12.3% バブル崩壊後の安定期
2000年度 35.6% 22.6% 13.0% 社会保障費が徐々に増加
2005年度 36.2% 22.4% 13.8% 高齢化の影響が顕在化
2010年度 37.2% 22.1% 15.8% 社会保障負担が急増
2015年度 42.3% 25.2% 17.1% 消費税率8%導入後
2020年度 47.7% 28.1% 19.6% コロナ対策で財政支出増
2025年度 46.2%(見通し) 28.2% 18.0% 税収増で持ち直し傾向

長期的な推移(参考)

  • 1970年度:24.3%
  • 2021年度:48.1%
  • 約50年間で約24ポイント増加しており、平均すると年間約0.48ポイントの増加率となります。

上記グラフを見ていただいてわかるように我が日本の国民負担率の上昇は、G7各国と比較しても著しく上昇しているということがわかります。

私の肌感覚としても、昔に比べ可処分所得が減り、自由に使えるお金が少なくなり、負担が増加したと感じています。皆様はいかがでしょうか?


国民負担率と景気の関係性


国民負担率の上昇は、景気と密接に関わっています。
可処分所得の減少による消費の抑制
税・保険料の増加により家計の自由に使える資金が減少し、消費活動が萎縮します。
貯蓄率の低下と投資の減退
家計の余力が減ることで、企業や国家の投資源が細り、経済全体の成長力が低下します。
潜在成長率との連動
G7諸国の分析では、国民負担率が1ポイント上昇すると、潜在成長率が約0.11ポイント低下するとされています。

景気とのバランスを取るための政策的配慮

  • 景気が弱い局面では、負担増(増税など)を控えるべきという指摘もあります。
  • 名目GDPを拡大し、賃金上昇によって国民所得を高めることで、負担感を和らげることが重要とされています。

 

💡 補足:国民負担率の上昇が避けられない背景

  • 高齢化による社会保障費の増加
  • 財政赤字の補填
  • 消費税率の引き上げなど制度的要因

さて、過去30年間を振り返ると、政府の施策は、国民負担率を上げる一方で、景気を犠牲にして効果的な経済対策が取れなかったことが挙げられ、結果失われたデフレ30年間と賃金の低下を招いたことが考えられます。


制度設計の課題と行政書士の視点


国民負担率の上昇は避けられない一方、景気とのバランスを取る政策が求められます。
– 高福祉・高負担か、低負担・自己責任型か
– 財政健全化と経済刺激を両立する制度設計
– 情報提供や制度理解の支援として、行政書士が果たす役割も大きい


まとめと展望


国民負担率の議論は、単なる数字の比較ではなく「暮らしと経済」「制度と意識」の接点を問うものです。私たち一人ひとりが、負担と支え合いのバランスを考えるきっかけとして、今こそ目を向けるべきテーマではないでしょうか。その上で、各政党の主張を吟味し、より良い将来の日本のために選択することが重要かと思われます。

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