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民事執行法改正
昨年2019年5月13日に重要な法改正である改正民事執行法が成立しております。施行に関しては近々行われる予定となっております。
簡単に言うと、養育費の回収などが従来よりはるかに楽になりますよ!という内容となります。
テレビなどで聞いてご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、養育費・生活扶養費・婚姻費などの債権や生命・身体の侵害による損害賠償請求権を有する債権者が、債務者に対しお金を支払ってもらいたいけど支払ってもらえないケースがあります。
裁判や調停で決まったにも関わらず、支払ってもらえない。或いは、強制執行をしたいけど相手の預貯金や勤務先がわからず、差押えをすべき財産を特定できない等の問題があり折角の確定判決も空振りとなり、泣き寝入りをせざるをえないという状況が従来からございます。
問題の所在は、従来「強制執行」しようとする場合、債権者の側で債務者の有する銀行口座の「銀行名」「支店」「口座番号」等を指定したり、勤務先の「有無」や名称、所在地までを調べて給与債権を差押えたりする必要があり、債務者にとって容易に差し押さえられることがないという制度になっていました。
弁護士会による開示請求と裁判所の財産開示手続き
従来は、差押えるべき財産の調査のため、弁護士会による開示請求などを利用したり、確定判決後の「債務名義」に従い、裁判所の財産開示手続きに頼るより他ありませんでした。
弁護士会の開示請求は、債務者の住所地の不特定多数の金融機関などに債務者の取引履歴があるかどうかを開示請求します。債務者が遠方の金融機関などに預金をしている場合、特定できない可能性もあります。
裁判所の開示手続きは、財産開示期日に債務者を裁判所に出頭させ、開示義務者に宣誓の上、債務者の財産を陳述するものとなります。ただし、開示義務者が出頭しなかったりし、やはり空振りとなるケースがあります。
※故意に出頭しなかったり虚偽の陳述をした場合罰則適用となります。
「第三者からの情報取得手続」
そこで、改正民事執行法では、「第三者からの情報取得手続」が新設されることとなりました。
つまり、裁判所から第三者に対し、債務者の情報提供命令を出す方法となります。
具体的には、
- 銀行の本店に対し、債務者の預金口座の支店、口座番号、残高の情報開示請求
- 年金事務所に対し、債務者の給料等の有無、勤務先名称、所在の情報開示請求
- 法務局に対し、所有不動産の有無、所在
- 証券保管振替機構に対し株式・投資信託の有無、詳細の情報開示請求
- 解約返戻金のある保険に関しては情報開示ができません。
上記の「第三者からの情報取得手続き」をするためには、「債務名義」又は、以下のような調書等が必要となります。
- 強制執行認諾条項付き公正証書
- 調停調書
- 審判書
- 和解調書
- 認諾調書
- 判決書
また、不動産や勤務先の情報開示のためには、先に挙げた財産開示手続きを経ていないと行うことができません。
そして、開示された財産のみでは、完全な弁済を得ることができない旨を疎明する必要があります。
上記のような件でお困りの方は、弁護士事務所に相談して下さい。










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