旅行業登録について

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コロナ禍の中、旅行業界や運輸・宿泊業界は大変な逆風にさらされていますが、ワクチン接種がある程度すすみコロナが下火になった際は、反動の好況がやってくることは容易に想像できます。

今現在関わっている法人設立において、将来的に旅行業登録業務が発生するかもしれませんので、備忘録のため概要を書き記したいと思います。

 

旅行業の定義

旅行業とは、代金や販売手数料などの報酬を得て、旅行業務や相談業務を継続的に事業として行うこととなります。

対象となる業務は、大きく分けて次の4つになります。

  1. 企画旅行・・・旅行会社が旅行計画を作成・実施
  2. 手配旅行・・・宿泊施設・運送機関等の個別手配・実施
  3. 案内業務(ガイド・添乗)・各種手続きの代行
  4. 旅行全般についての相談

また、企画旅行をさらに細分化すると、募集型企画旅行(パッケージツアー)受注型企画旅行となり、さらに海外募集型企画旅行と国内募集型企画旅行になります。

これらの行為を、報酬を得ながら継続的に事業として行う場合は、旅行業登録を受ける必要があります。

旅行業の種類

次のどの種類の旅行業を営業するかによって申請先や財産的要件が変わってきます。

第1種旅行業

海外・国内の募集型企画旅行、受注型企画旅行、手配旅行、他社募集型企画旅行の代理販売など、すべての旅行業務を取り扱うことができる種別

第2種旅行業

第1種旅行業で取り扱える業務のうち、海外の募集型企画旅行を除くすべての業務を取り扱うことができる種別

第3種旅行業

海外・国内の募集型企画旅行を除く、すべての旅行業務を取り扱うことができる種別

地域限定旅行業

旅行先で参加するオプショナルツアーなど地域を限定した業務を取り扱うことができる種別

旅行業者代理業

他社が企画した旅行商品を代理販売する種別。ただし、2社以上の代理はできない。

旅行サービス手配業

ランドオペレーター(旅行会社の依頼を受けて宿泊施設や交通機関などの手配・予約を専門に行う業者)

登録拒否条件

次の条項に該当する場合、その登録申請は、拒否されます。

  1. 旅行業法第19条の規定により旅行業若しくは旅行業者代理業の登録を取り消され、又は第37条の規定により旅行サービス手配業の登録を取り消され、その取消しの日から5年を経過していない者(当該登録を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所の公示の日前60日以内に当該法人の役員であった者で、当該取消しの日から5年を経過していないものを含む。)
  2.  禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない者
  3.  暴力団員等(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第6号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者をいう。)
  4.  申請前5年以内に旅行業務又は旅行サービス手配業務に関し不正な行為をした者
  5.  営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が上記⑴から⑷のいずれかに該当するもの
  6.  成年被後見人若しくは被保佐人又は破産手続開始の決定を受けて復権を得ないもの
  7.  法人であって、その役員のうちに上記⑴から⑷又は⑹のいずれかに該当するもの
  8.  暴力団員等がその事業活動を支配する者
  9.  営業所ごとに旅行業法第11条の2の規定による旅行業務取扱管理者を確実に選任すると認められない者
  10.  旅行業を営もうとする者であって、当該事業を遂行するために必要と認められる国土交通省令で定める基準に適合する財産的基礎を有しないもの

旅行業登録許可要件

人的要件「旅行業務取扱管理者制度」

旅行業者等には、営業所ごとに、一人以上の「旅行業務取扱管理者」を選任し、取引条件の明確性、旅行に関するサービスの提供の確実性その他取引の公正、旅行の安全及び旅行者の利便の増進を確保するために必要な事項の管理・監督に関する事務を行わせることが義務付けられています(旅行業法第11条の2)。10人以上の従業員のいる営業所は、複数の旅行業務取扱管理者を置く必要があります。

また、旅行業務取扱管理者として選任できる者は、旅行業者等の営業所の扱う業務の範囲により、必要な資格を有する者が異なっています。
 ・海外旅行を取り扱う営業所
    :総合旅行業務取扱管理者試験に合格した者
 ・国内の旅行だけを取り扱う営業所
    :総合旅行業務取扱管理者試験又は国内旅行業務取扱管理者試験に合格した者
 ・国内の旅行のうち営業所の所在する市町村及び隣接市町村の範囲内に限られる旅行だけを取り扱う営業所
    :総合旅行業務取扱管理者試験国内旅行業務取扱管理者試験又は地域限定旅行業務取扱管理者試験に合格した者

営業保証金及び弁済業務保証金制度

旅行業者や旅行業代理業者と旅行業務に関し取引をした旅行者の保護を図るため、旅行業法は旅行業者に一定の金額を営業保証金として供託することを義務付けています。

2億円未満の取扱高の場合、営業保証金の額は、それぞれ下記の通りとなります。

 

ただし、旅行業協会【(一社)日本旅行業協会または(一社)全国旅行業協会】に加入した場合、営業保証金の供託に代えて、弁済業務保証金分担金として納付した場合は、営業保証金の5分の1の金額で済みます。

旅行業等の区分 営業保証金 弁済業務保証分担金 基準資産額
第一種 7,000万 1,400万 3,000万
第二種 1,100万 220万 700万
第三種 300万 60万 300万
地域限定 15万 3万 100万

基準資産額

旅行業を継続して営むために必要とされる財政的基礎が『基準資産額』になります。登録種別によって、クリアすべき基準資産額は異なり、詳細は表の通りとなります。

基準資産額は、「資産総額-(創業資金や繰延資産+営業権+不良債権+負債+営業保証金または弁済業務保証金分担金)」の計算式で算出されます。

登録申請

申請先

登録先の行政機関は、種別によって異なります。第1種旅行業の登録先は「観光庁長官」であり、その他の種別の場合は「主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事」となります。

申請書類

  • 新規登録申請書
  • 定款の写し (定款の目的欄に「旅行業法に基づく旅行業」との記載が必要)
  • 履歴事項全部証明書
  • 役員の宣誓書
  • 旅行業務に係る事業計画・組織概要
  • 直近の法人税の確定申告書と添付書類の写し
  • 旅行業務取扱管理者の選任一覧
  • 事故処理体制に関する説明書
  • 標準旅行業約款

登録免許税

第一種旅行業の登録免許税は90,000円、その他の区分については、都道府県によって手数料がかわり、東京都の場合は、新規登録手数料の納付 手数料90,000円 がかかります。

有効期間

旅行業登録は、5年ごとに更新を行わなければなりません。登録時と同様、更新時も基準資産額の条件をクリアすることが求められる。事業を進めているうちに不良債権や負債などが増え、基準資産額を満たせなくなっている場合は、更新ができず登録が抹消されます。

旅行業協会への入会

高額な営業保証金の供託を免除するために弁済業務保証金分担金として払うために旅行業協会の加入を検討される方がほとんどかと思います。

指定協会は、2つあります。

  • (一社)日本旅行業協会
  • (一社)全国旅行業協会

一般社団法人日本旅行業協会への加入

まず、日本旅行業協会の正会員になるためには、協会のHP上では、入会金80万円がかかります。

入会金の他に普通会費特別会費が、毎年かかります。普通会費は、年35万円、特別会費、常勤役員及び旅行業関係従業員1人当たり年額600円となります。

 

一般社団法人全国旅行業協会

全国旅行業協会の正会員の入会金は、HP上によると下記の通りとなります。

種別登録先 第一種旅行業
観光庁長官
第二種旅行業
都道府県知事
第三種旅行業
都道府県知事
地域限定旅行業
都道府県知事
入会金 2,250,000円 650,000円 550,000円 400,000円

年会費については、各都道府県によって変わってくるとの事です。

入会時の必要書類

日本旅行業協会の入会必要書類は、下記となります。

  • 入会申請書類
  • 現況調査票
  • 旅行業務取扱管理者 選任一覧表
  • 旅行業務取扱管理者 合格証(写)
  • 旅行業務取扱管理者 履歴書
  • 役員(取締役、監査役を含む)履歴書
  • 役員(取締役、監査役を含む)宣誓書
  • 会社定款(写)
  • 履歴事項全部証明書
  • 旅行業務に係る事業計画
  • 緊急事故処理体制の書類
  • 会社案内
  • 弁済業務保証金分担金納付書

全国旅行業協会の加入必要書類は、下記となります。

  • 入会申込書類
  • 誓約書
  • 現況調査表
  • 旅行部門従事者名簿
  • 代表者の履歴書
  • 代表者以外の役員全員の履歴書
  • 旅行業担当者の履歴書
  • 会社定款(写)
  • 履歴事項全部証明書
  • 住民票(※個人の場合のみ)
  • 旅行業務に係る事業の計画
  • 旅行業務に係る組織の概要
  • 直近の法人税確定申告書および添付書類の写し(※法人の場合)
    財産に関する調書(※個人の場合)
  • 旅行業務取扱管理者選任一覧表
  • 旅行業務取扱管理者 履歴書
  • 旅行業務取扱管理者 合格証(写)
  • 事故処理体制の説明書

実際には、旅行業協会の審査を受け、承認を受けた後に行政への申請→登録←弁済業務保証金分担金の払い込み→納付書の提出といった流れになります。

 

以上、旅行業登録について備忘録のため作成いたしました。

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