この4月から親族法の親権についての改正があります。従来の単独親権から共同親権選択制へと制度変更があります。
共同親権(きょうどうしんけん)は、離婚後の子どもの監護に関する親権の形態の一つで、2024年の民法改正で日本に正式に導入された新しい制度で、2026年4月1日より施行予定となっています。
目次
共同親権とは何か
🔹 定義
離婚後も 父母の双方が親権者となり、子の監護・教育・財産管理などについて共同で決定する制度を言います。
🔹 これまでとの違い
日本では長らく「単独親権」が原則で、離婚後はどちらか一方しか親権者になれませんでした。
今回の改正で、単独親権か共同親権かを選べるようになりました。
共同親権のポイント(実務・制度面)
1. 共同で決めるべき重要事項
例えば次のような「子の人生に大きく関わる決定」は、原則として両親が協議して決めます。
• 進学・転校
• 医療行為(手術など)
• 住居の変更
• パスポート取得
• 財産管理に関する重要事項
日常の監護(食事・生活習慣・塾の送り迎えなど)は、実際に子を監護している親が単独で判断できると整理されています。
2. 共同親権が選ばれる条件
裁判所は、次のような観点から共同親権が子の利益にかなうかを判断します。
• 父母の意思疎通が可能か
• 子の安全が確保されるか
• DV・虐待の有無
• 子の生活の安定性
• 監護計画の実現可能性
👉 DVや虐待がある場合は共同親権は認められにくいとされています。
3. 実務で必要になる書類・計画
共同親権を選ぶ場合、実務では次のような文書が重要になります。
📄 監護計画(パレンティングプラン)
• 生活スケジュール
• 面会交流の方法
• 教育・医療の決定方法
• 緊急時の連絡体制
• 費用負担(養育費・教育費)
4. 共同親権のメリット・デメリット
🌟 メリット
• 子どもが両親と関係を維持しやすい
• 重要な決定を両親で支えることができる
• 片方の親が排除されにくい
⚠️ デメリット
• 意思疎通が難しいと決定が遅れる
• 紛争が長期化する可能性
• 監護者の負担が増える場合がある
改正民法819条(離婚・認知の場合の親権者)
🔹 改正の核心ポイント
• 「双方または一方を親権者と定める」 と明記
→ これにより 選択的共同親権 が導入された。
• 裁判所は、共同親権か単独親権かを判断する際、
「子の利益」 を最優先に、父母・子の関係など一切の事情を考慮。
• DV・虐待などがある場合は共同親権を認めない と明確化。
• 親権者の変更(後から変更する場合)についても、
子または親族の請求で家庭裁判所が判断可能。
🧩 改正点の条文レベルでの比較(要点)
以下は検索結果に基づく「改正前 → 改正後」の変化の要点です。
| 項目 | 改正前 | 改正後 |
| 第1項 | 「一方を親権者と定める」 | 「双方または一方を親権者と定める」 |
| 第2項 | 裁判所は「一方を親権者と定める」 | 「双方または一方を親権者と定める」 |
| 第3項 | 協議で「父を親権者と定める」 | 協議で「双方または父を親権者と定める」 |
| 第4項 | 父母の協議で父を親権者と定めた場合に限り父が行う | 原則母が行うが、協議で双方または父を親権者と定められる |
| 第6項 | 親族の請求で親権者変更可能 | 子または親族の請求で変更可能 |
| 第7~8項 | なし | DV・虐待等がある場合は共同親権不可などの規定を新設 |
⚖️ 共同親権に関する関連条文(改正後)
共同親権の実務運用に関わる条文も新設・改正されています。
■ 民法824条の2(親権の共同行使)
• 原則:父母が共同して行う
• 例外的に単独で行使できる場合
• 他方が不在・重病
• 子の利益のため急迫の事情
• 日常行為
• 家裁が特定事項について単独行使を認めた場合
■ 民法824条の3(監護者の権限)
• 監護者は、
• 子の監護教育
• 居所指定
• 職業許可
などを行う権限を持つ。
共同親権導入の背景
共同親権が日本で導入される背景には、国内の親子断絶問題だけでなく、国際社会からの強い批判、特にハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)をめぐる圧力が大きく関係しています。
日本の単独親権制度が国際問題化していたことが明確に示されています。
以下、体系的に整理します。
🌍 1. ハーグ条約とは何か
国境を越えた子の連れ去りが起きた場合、子どもを元の居住国に返還する国際条約。
日本は2014年に加盟。
条約の基本原則
• 子どもは「元の居住国」で親権・監護を判断すべき
• 一方の親が無断で子を連れ去ることを防止
• 親子交流を確保する国際的枠組み
🔥 2. 日本が国際社会から批判されてきた理由
日本では 国際結婚の別居・離婚時に、日本人親が子を連れて帰国し、外国人親が子に会えなくなるケースが多発。
これが ハーグ条約違反としてEU・オーストラリアなどから強い抗議 を受けてきました。
国際社会の指摘
• 日本では離婚後に単独親権となり、非監護親(多くは外国人)が子に会えない
• 面会交流が実施されない
• 裁判所の関与が弱く、親の一方的判断で親子断絶が起きる
• 「日本は子どもの連れ去りの“セーフヘイブン”になっている」と批判
⚖️ 3. なぜ共同親権がハーグ条約と関係するのか
ハーグ条約の理念は 「子どもは両親と関係を維持すべき」 という国際基準。
しかし日本の単独親権制度はこれと真逆で、次の問題がありました。
日本の単独親権制度の問題点
• 離婚後、親権を持たない親は 法的に子の重要事項に関与できない
• 面会交流の実施率が低い(母子世帯で約30%)
• 親権争いが激化し、子の連れ去りが頻発
• 国際結婚では外国人親が完全に排除されるケースが多い
これらは ハーグ条約の精神(親子関係の維持)に反する と国際的に見られてきました。
🧭 4. 日本が共同親権を導入した背景(条約との関連)
背景を整理すると、次の3点が大きな要因です。
① 国際社会からの強い批判
• EU・オーストラリアなどが日本に対し、ハーグ条約の遵守を要求
• 外国人親が子に会えない事例が外交問題化
② 子どもの権利条約(CRC)との整合性
• 子どもには「親と会う権利」がある(CRC第9条)
• 日本の単独親権制度はこれに反するとの指摘
③ 国内の親子断絶問題
• 離婚後、年間16万人の子どもが片方の親と会えなくなる
• 養育費不払い、面会交流不履行が常態化
• 単独親権が親権争い・連れ去りを誘発
🧩 5. 共同親権導入は「国際基準へのキャッチアップ」
海外では共同親権がすでに標準であり、
日本の単独親権制度は“例外的”で国際基準から外れていた ことが背景にあります。
海外の潮流(検索結果より)
• アメリカ、ドイツ、フランス、イタリア、オーストラリアなどは共同親権が原則
• 日本・インド・トルコなどが単独親権の少数派
🧠 6. 共同親権導入で日本が目指す方向性
• 国際基準(ハーグ条約・子どもの権利条約)との整合性
• 親子断絶の防止
• 外国人親との親子交流の確保
• 国際結婚の紛争の減少
• 子どもの最善の利益の確保
海外での共同親権
海外では共同親権(Joint Custody / Shared Parental Responsibility)はすでに“世界標準”であり、G20のうち日本を除くほぼ全ての国が導入しています。 日本の2024年民法改正は、この国際潮流にようやく追いついた形です。とはいえ、海外では「原則共同親権」に対し日本は、「選択共同親権」の違いがあります。
主要国の制度・特徴・日本との違いを体系的にまとめます。
🌍 海外の共同親権制度の全体像
🔹 1. 世界の潮流:共同親権は「原則」へ
• 調査対象24か国中22か国が共同親権を採用(G20のほぼ全て)
• 背景にある理念は 「子の最善の利益(Best Interests of the Child)」
→ 子どもが両親と継続的に関わることが心理的・社会的に良いという研究が多数。
🌎 国別の制度比較(要点)
🇺🇸 アメリカ(州法ベース)
• 共同監護(Joint Legal Custody)が主流
• カリフォルニア州は「子どもが両親と頻繁かつ継続的な関係を持つこと」を州の基本方針として宣言
• 離婚時に 養育計画(Parenting Plan)作成が義務
• DVがある場合でも、安全な形での面会交流を確保する仕組みが整備
→ 面会交流センター、監督付き面会など
特徴
• 共同親権は「合意できる親同士」に認める傾向
• 合意できない場合、裁判所は細かい監護方法の指示には消極的
🇩🇪 ドイツ
• 1998年改正で共同親権が原則化
• 単独親権になるのは、
• 他方の同意がある場合
• もしくは単独の方が子の福祉に明らかに適合する場合のみ
→ 実務上は 虐待・薬物依存など極端なケース に限られる
🇫🇷 フランス
• 1987年に共同親権を許容、1993年に原則化
• 単独親権にするには
• 子の利益に適合する実体的要件
• 裁判所の命令という手続的要件
が必要
🇮🇹 イタリア
• 2006年改正で共同親権を原則化
• フランスとほぼ同様の構造
🇬🇧 イギリス
• 「親権(Parental Responsibility)」という概念
• 離婚しても親責任は失われない → 必然的に共同親責任
🧩 海外の共同親権の運用方法(共通点)
検索結果から、各国の運用は驚くほど共通しています。
✔️ 1. 子はどちらか一方と同居
• 日常の決定は同居親が行う
• 重要事項(教育・医療・宗教・進学など)は共同決定
✔️ 2. 非同居親との面会交流は「子の権利」
• 原則として制限できない
• 虐待があっても、完全排除は「現在の危険」がある場合のみ
• 標準的な頻度は 2週間に1回
✔️ 3. 面会交流・養育費の支援機関が存在
• 面会交流センター
• メディエーター(調停人)
• 父母教育プログラム(アメリカ25州で義務)
海外の共同親権の運用方法(共通点)
検索結果から、各国の運用は驚くほど共通しています。
✔️ 1. 子はどちらか一方と同居
• 日常の決定は同居親が行う
• 重要事項(教育・医療・宗教・進学など)は共同決定
✔️ 2. 非同居親との面会交流は「子の権利」
• 原則として制限できない
• 虐待があっても、完全排除は「現在の危険」がある場合のみ
• 標準的な頻度は 2週間に1回
✔️ 3. 面会交流・養育費の支援機関が存在
• 面会交流センター
• メディエーター(調停人)
• 父母教育プログラム(アメリカ25州で義務)
📊 日本との比較(表)
| 項目 | 海外(欧米) | 日本(2024改正) |
| 制度の原則 | 共同親権が原則 | 単独・共同の選択制 |
| 面会交流 | 子の権利として強く保障 | 実施率は低い(母子30%) |
| 養育計画 | 作成が義務(米・英など) | 任意(努力義務的) |
| DV対応 | 安全な面会の仕組みが整備 | DVがある場合は共同親権不可 |
| 裁判所の関与 | 家族裁判所が専門的に関与 | 日本は協議離婚が多く裁判所関与が少ない |
🔍 海外の成功点と課題
🌟 成功点
• 子どもの心理的・社会的安定
• 非監護親との関係維持
• 養育費の支払いが安定
• 紛争の長期化を防ぐ仕組み(調停・教育プログラム)
⚠️ 課題
• 高葛藤の親同士では共同親権が機能しにくい
• DVがある場合は危険
• 面会交流の調整に専門機関が不可欠
個人的な感想ですが、子の権利を優先した海外に対し、母親の権利を優先した日本司法という構図があり、母親の再婚相手や交際相手からの虐待問題等の悲劇も生まれており、法整備としてはまだまだ不充分であると感じています。皆様はどう感じますでしょうか?










