7月8日の安倍元総理の暗殺事件から統一教会の問題が取り沙汰され、今現在、大変世間を賑わせています。
僕自身は、安倍元総理は偉大な政治家であり、アベノミクスによる株価上昇や400万人の雇用創出、安全保障問題とさまざまな功績を持つ方であり、安倍さんの死は日本にとって大きな喪失であると感じています。そして安倍さんが政権を担った以前と以後においては世の中の風潮がかなり変わったと思っています。
以前の日本と言えば、マスコミの力は第三の権力と言われ、報道や言論の力によって大衆世論を形成し、場合によっては世論をもって一国の首相の進退にまで発展させられていました。しかし、インターネットの発展とともに、今まで情報源が購読新聞やTVのみでしかなかった人々が情報を発信する側が操作によって事実ではないことをあたかも事実であるかのような報道をするという事実を知り、情報のソースや信憑性を深く考え、ご自身で判断する方が多くなったように感じます。
つまり大衆は、一部マスコミの報道・言論という名の権利濫用に疑問をいだいた末、新聞やTV離れが進み、以前の様な一部マスコミの力は今現在弱まったのではないかと思います。
そして、今回の統一教会の問題についても旧態依然として建設的な議論がなされないことに胸を痛めます。
先ず、統一教会の実体について、全国霊感商法対策弁護士連絡会が記者会見を行っています。youtube (クリックいただくと見れます)などで見ることができるのでご覧になっていない方は是非ご覧ください。
その内容は衝撃で、2世の統一教会信者がどのような悲惨な状態にあるかを無視すべきではないと思います。
実は、この霊感商法の問題は、社会問題化し、改正消費者保護法という法律で対策が取られています。(対策としてはまだ足りないと思いますが・・・)
目次
改正消費者保護法
改正消費者保護法は、平成30年6月15日(安倍総理在任中)に公布されており、施行は令和元年6月15日になります。
詳細については、消費者庁のHPで確認することができますが、改正点をまとめると以下の様になります。
- 困惑類型に当たる契約の取消権を認めたこと
- 不利益事実不告知の要件緩和
- 不当条項の無効
まず困惑類型に当てはまる契約を4つに分類してそれに該当する契約の取消権を認めています。
1-① 社会生活上の経験不足を不当に利用して不安を煽る告知
消費者契約法4条3項三 当該消費者が、社会生活上の経験が乏しいことから、次に掲げる事項に対する願望の実現に過大な不安を抱いていることを知りながら、その不安をあおり、裏付けとなる合理的な根拠がある場合その他の正当な理由がある場合でないのに、物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものが当該願望を実現するために必要である旨を告げること。イ 進学、就職、結婚、生計その他の社会生活上の重要な事項ロ 容姿、体型その他の身体の特徴又は状況に関する重要な事項
事例)
就職活動中の学生の不安を知りつつ、「このままでは一生成功しない、この就職セミナーが必要」と告げて勧誘
1-② 人間関係の濫用
四 当該消費者が、社会生活上の経験が乏しいことから、当該消費者契約の締結について勧誘を行う者に対して恋愛感情その他の好意の感情を抱き、かつ、当該勧誘を行う者も当該消費者に対して同様の感情を抱いているものと誤信していることを知りながら、これに乗じ、当該消費者契約を締結しなければ当該勧誘を行う者との関係が破綻することになる旨を告げること。
事例)デート商法など
SNSで知り合った男性と何度か連絡をし好きになった。宝石展示場に誘われて行ったところ「買ってくれないと関係を続けられない」と言われ契約
2 判断力低下の不当な利用
五 当該消費者が、加齢又は心身の故障によりその判断力が著しく低下していることから、生計、健康その他の事項に関しその現在の生活の維持に過大な不安を抱いていることを知りながら、その不安をあおり、裏付けとなる合理的な根拠がある場合その他の正当な理由がある場合でないのに、当該消費者契約を締結しなければその現在の生活の維持が困難となる旨を告げること。
事例)
判断力の低下したお年寄りに対し「投資用マンションを買わなければ、定期的な収入がなく、今の様な生活を送ることができなくなる」と告げて勧誘
3 霊感等による知見を用いた告知
六 当該消費者に対し、霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として、そのままでは当該消費者に重大な不利益を与える事態が生ずる旨を示してその不安をあおり、当該消費者契約を締結することにより確実にその重大な不利益を回避することができる旨を告げること。
事例)霊感商法等
「私は霊が見える。あなたには悪霊が付いており、このままでは家族が地獄に落ちる。この数珠を買えば悪霊が去る」と告げて勧誘
4 契約前なのに強引に代金を請求される等
七 当該消費者が当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をする前に、当該消費者契約を締結したならば負うこととなる義務の内容の全部又は一部を実施し、その実施前の原状の回復を著しく困難にすること。八 前号に掲げるもののほか、当該消費者が当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をする前に、当該事業者が調査、情報の提供、物品の調達その他の当該消費者契約の締結を目指した事業活動を実施した場合において、当該事業活動が当該消費者からの特別の求めに応じたものであったことその他の取引上の社会通念に照らして正当な理由がある場合でないのに、当該事業活動が当該消費者のために特に実施したものである旨及び当該事業活動の実施により生じた損失の補償を請求する旨を告げること。
事例)
事業者が、注文を受ける前に、自宅の物干し台の寸法に合わせてさお竹を切断し、「さお竹はもう切ったから買ってください」と言い代金を請求された。
どれも重要な改正ではありますが、消費者契約法の4条3項6号に「霊感商法」についての取消権を認めています。その他の内容についても重要な改正になっていますので、ご興味のある方は調べてみてください。
取消権の効果
さて、霊感商法による違法な契約を締結させられてしまった場合、取消権を発動して契約を取消すればよいのですが、取消についての民法の定義を記します。
(取消しの効果)第百二十一条 取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。
(取消し及び追認の方法)第百二十三条 取り消すことができる行為の相手方が確定している場合には、その取消し又は追認は、相手方に対する意思表示によってする。
(取消権の期間の制限)第百二十六条 取消権は、追認をすることができる時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。
条文の中に「追認」という文言が出てきますが、追認とは、取り消すことができる契約であるにも関わらず、相手方に「取り消しません」と意思表示をすることを言います。
注意点は、一度追認をしてしまうともはや取り消すことができなくなりますのでご注意ください。
(取り消すことができる行為の追認)第百二十二条 取り消すことができる行為は、第百二十条に規定する者が追認したときは、以後、取り消すことができない。
取消の後は・・・
(原状回復の義務)第百二十一条の二 無効な行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、相手方を原状に復させる義務を負う。2 前項の規定にかかわらず、無効な無償行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、給付を受けた当時その行為が無効であること(給付を受けた後に前条の規定により初めから無効であったものとみなされた行為にあっては、給付を受けた当時その行為が取り消すことができるものであること)を知らなかったときは、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。
以上のように霊感商法に対する対策は講じられてはいますが、被害者や2世信者の不幸を考えるとまだまだ対策としては不十分だと思います。マインドコントロールが解けないうちは、取消権も無意味です。
以上、今年は例年以上に様々な事件があり、少し困惑しており、書きなぐってしまいました。










