中小企業の資金調達・銀行融資

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
銀行融資の画像

昨日の3月2日は、日本行政書士連合会主催のセミナーが開催され、「資金調達・銀行取引アドバイス」という題材でのセミナーに参加しました。

講師をしていただいた赤沼先生のお話しは、とても明快でいろんな気づきがありました。赤沼先生のプロフィールを見ると、なんと大学は僕の後輩にあたり年齢で言うと7つくらい年下なので同じキャンパスに通っていたという訳ではなさそうですが、行政書士としては、業歴17年と大分僕よりも先輩にあたります。

僕自身、令和2年度は、コロナ禍の影響で中小企業の資金需要が、旺盛であったこと、金融機関においてもコロナ融資や危機関連保証枠が政府によって発動されたこともあり、「持続化給付金」や「家賃支援給付金」の申請の仕事も数多くいただき、その上、創業融資のための「政策金融公庫」の国民事業への融資申し込みの仕事や保証協会付の銀行融資のお手伝いなどもしてきました。

漠然とした知識の中で仕事を進めてきましたが、昨日のセミナーで体系的に学び、知識の整理につながる成果のあるものでした。

既にこんなことは知っているよという方も多いとは思いますが、僕自身の備忘録のためにも学んだことを記したいと思います

資金調達方法の種類

まず中小企業が、設備資金や運転資金のための資金調達の方法には次のような方法があります。

  1. 間接金融
  2. 直接金融
  3. 助成金・補助金
1.間接金融

間接金融とは金融機関から融資を受けて資金調達をする方法です

間接金融には政府系金融機関である日本政策金融公庫商工中金など公的機関から借り入れる公的融資と民間の銀行から借り入れる民間融資があります。

また銀行が貸付ける融資においても、公的機関である信用保証協会よる保証付き融資と銀行独自のプロパー融資があります。

民間融資でも銀行ではないノンバンクによる融資もございます。

2.直接金融

次に直接金融ということで、企業が直接投資家などからの出資を受ける直接金融があります。

直接金融の種類としては、次のような方法があります。

  • 中小企業投資育成株式会社からの出資
  • ベンチャーキャピタル(VC)からの出資
  • 個人投資家(エンジェル)からの出資
  • 少人数私募債による資金調達
3.助成金・補助金

その他に返済のいらない資金で国や自治体、財団法人などが支給している助成金補助金がございます。

※制度によっては返済を要するものもあり(収益納付)

間接金融 公的融資 日本政策金融公庫・商工中金による融資
銀行 信用保証協会による保証付き融資
民間融資 プロパー融資
ノンバンク
直接金融

・中小企業投資育成株式会社からの出資

・ベンチャーキャピタル(VC)からの出資

・個人投資家(エンジェル)からの出資

・少人数私募債による資金調達

助成金・補助金 国や自治体、財団などが給付している返済のいらない資金

銀行融資

中小企業が資金調達をしようと考えたときに最も学ばなければならないのは、銀行融資で、その中でもとりわけ信用保証協会の保証付き融資政策金融公庫による融資についてが最も重要です。

信用保証協会の保証付き融資とは?

貸すのは銀行・信金・信組ですが、信用保証協会による公的保証が付くため公的融資となります。

創業期、零細企業、財務不振の会社でも比較的借りやすいですが、信用保証料(約1%)が発生します。

プロパー融資とは?

信用保証協会による保証のつかない銀行独自でリスクを負う融資です。大手の都市銀行などが主体で行い、高い信用力が求められるため、中小・零細企業にとってはハードルが高いものとなります。

信用保証協会とは?

大企業に比べて担保力や信用力が劣る中小零細企業創業者などの資金調達の円滑化を図ることを目的として設立された公的機関です。全国に51か所あり、銀行から融資を受けにくい企業に対し、信用保証協会がその企業の信用を保証する形で、中小企業の資金調達を円滑にさせています。

万一、企業が銀行に対しての返済が焦げ付いた際、保証協会が銀行に対し代位弁済をします。

代位弁済した返済金の債権は、保証協会に移りますので、企業としては保証協会に対し、残債を支払っていくことになります。

信用保証協会を使える会社

信用保証協会を使える会社には条件がありますのでご注意ください。

主な条件は下記の通りとなります。

  • 資本金」と「従業員数」により制限がある。(大会社は使えません)
  • ほとんどの業種が利用可能だが、一部業種は対象外となります。
  • 許認可が必要な事業は、許認可を受けていることが必要。
  • 法人の形態により対象外あり(学校法人、宗教法人等)
  • 生活費や事業外の資金使途には使えない
信用保証協会の対象となる事業規模
業種 事業規模(次のいずれかに該当する者)
資本金又は出資金(会社) 常時使用する従業員の数
製造業、建設業、運輸業 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
小売業・飲食業 5,000万円以下 50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下

※全国信用保証協会連合会のHPから抜粋

信用保証対象外の会社

農業、林業、狩猟業、漁業、水産養殖業、金融業、保険業、性風俗関連特殊営業、風営法第3条第1項許可の飲食店のうち公序良俗に反する等の批判を受けるおそれのあるもの

信用保証限度額

通常の個人・法人の場合

1.一般枠(通常の枠)・・・2億8千万円(内無担保 8千万円 無担保無保証 2千万円)

2.別枠(セーフネット保証枠)・・・2億8千万円(内無担保 8千万円 無担保無保証 2千万円)

3.別枠(危機関連保証枠)・・・2億8千万円(内無担保 8千万円 無担保無保証 2千万円)

※危機関連保証制度・・・災害等で信用収縮が全国的に生じていて国として実施する必要があると認める場合に行う措置で現在は、コロナ禍のため発動しています。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は「一般の金融機関が行う金融を補完すること」を目的とした政府系金融機関となります。

金利が低く、固定金利であること。無担保、無保証の制度があること。抵当権設定時に登録免許税がかからないことがメリットとなります。

ただし、公庫は一般の金融機関を補完することを目的としていますので、メインバンクにはなりません。

政策金融公庫におきましても、規模による制限や業種による制限があります。

その他の融資の種類

商業手形割引

売上代金の決済として受けた受取手形を銀行が買い取る形で資金提供を行う。不渡り時は買い戻し特約がついているので、買い戻さないとならない。

手形貸付

手形を担保に借り入れをする方法。短期融資に多く使われる融資方法。返済原資は、売上金となります。

証書貸付

「金銭消費貸借契約書」を交わしてから銀行からお金を借りる方法。長期融資に多く使われる融資方法。短期借入でも、一時的に支払いが重なる賞与資金や納税資金の支払いのために借り入れ分割弁済をする方法などがあります。

当座貸越

設定された限度額(極度額)までは、自由に資金を借りたり返したりできる融資形態。当座預金の設定が必要。

銀行は決算書で判断する

融資審査では、会社の将来性、社長の資質や組織力などの部分を見る「定性分析」と決算書や試算表、事業計画書などの数字から読み取る「定量分析」があります。

銀行は、どちらを重視するかと言いますと圧倒的に「定量分析」を重要視しています。そして、定量分析の大部分は、決算書の数字で判断されます。

銀行が見る決算書のポイント

融資を受けようとする社長にとって決算書の何を見ているかというのが非常に気になるところかと思います。

主なポイントは、下記となります。

  1. 純資産 資産超過なのか債務超過なのか
  2. 売上高 直近3期の状況 上昇・横這い・下降(成長しているのか
  3. 営業利益 黒字・赤字、推移状況(本業で儲けが出ているのか
  4. 経常利益 黒字・赤字、推移状況 (最終的に儲けが出ているのか
  5. 借入のボリューム 借入月商倍率(借入残高÷平均月商) 3か月以内なら〇、4~6か月△、6か月超× (何か月で返済できるかに通じます)
  6. キャッシュフロー キャッシュフロー≧年間返済額 (返済額より多く稼いでいるか

※キャッシュフロー=経常利益+減価償却費-法人税

事業性評価の流れ

金融庁の方針により従来の定量性評価に依存することなく貸付先企業の事業内容成長可能性などの定性面を適正に評価するよう各金融機関に求められていますが、金融機関が現実的には事業性評価を正しく行うことは難しいことと考えます。

よって、従来通り定量面の計画をしっかりと練り、その上で定性面のアピールをしていくことが肝要かと思われます。

資金調達支援(事業計画書の作成)

ここで融資の為に必要な事業計画書ですが、事業計画書4点セットの作成支援を行っています。

  • 事業計画概要書
  • 5か年損益計画書
  • 資金繰り表
  • 取引金融機関一覧表

その他必要に応じて、ビジネスモデル図金融機関借入内訳書の作成も致します。いずれも税理士が得意とする税務分野ではなく財務分野での支援となりますので、ご興味がありましたらお声がけください。

さて、昨日のセミナーの中で、次のような日本行政書士連合会会長のお言葉がありました。昨年のコロナ禍の「持続化給付金の申請」等におきましては、不正受給が数多くおこり、コンサルを語る業者が不正受給を斡旋し、実に給付金の4割も報酬を得ていたケースなどもあったようです。

結果として、不正受給を調査したり取り締まったりの余計な労力やコストがかかり、却って制度としてコスト高になってしまった面は否めないかと思います。

制度として行政書士を組み込んだ制度設計をしていただければ、利用者の利便にも行政側のコスト面においてもよい結果となるように思います。

以上、読んでいただきましてありがとうございました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す