国家安全保障戦略について

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12月16日に閣議決定された国家安全保障戦略が、外務省などのHPにて公表されています。今後の日本の指針を示すものであり重要な原則となりますので、皆様も一度全文を読んでみてはいかがでしょうか?わずか33枚程度の文章なのですぐに読めるかと思いますし、とても重要なことが書かれています。

全文はこちらになります。

さて、万人が万人誰でも平和であることを望むかと思います。先日、高橋洋一さんがおっしゃっていたのですが、より現実的な米国においては、戦争確率というものを学問として研究し、過去300年くらいの実際の戦争について調べると、どうすれば戦争が起こりづらいかということについて研究がされていると言います。

戦争確立を減らす方法

そして、戦争が起こりづらい3原則があるそうです。その3原則について触れると以下の3つになります。

  1. 相手が民主主義国家でなく、覇権主義の国である場合、どんなにこちらが努力しても戦争は起こりやすい。
  2. 相互の国間において、軍事力が均衡していれば戦争が起こりにくい。一方のみが軍事力が大きく、一方が軍事力が小さいと戦争は起こりやすい
  3. 同盟がない国は、戦争が起こりやすい。

この原則に当てはめると、日本の周囲には、覇権主義の国である、ロシア・中国・北朝鮮があります。確かに民主主義国家である韓国や台湾などの隣国とは戦争は起こりづらいのではないかと思います。

また、今現在、核を保有している北朝鮮や軍事費を拡大させている中国などとの間では、軍事力が均衡していないため、戦争確率が高いと言えるのではないでしょうか?

そして、NATOEUに加盟をしていなかったウクライナは、進攻というかたちで戦争に巻き込まれました。日本には日米同盟があります。

戦争に巻き込まれないためには日米同盟は非常に重要であるということが言えると思います。また、米国のみならず、インド・オーストラリアともインド太平洋地区の秩序を保つために枠組みを率先して作った安倍元総理の外交力に敬服いたします。

この原則を踏まえた上で今回の国家安全保障戦略のさわりについて記します。

国家安全保障戦略

さて、冷戦終結後以降、日本はグローバリゼーション各国の相互依存国際社会の平和と発展につながると信じて突き進んできたわけですが、自由で開かれた安定的な国際秩序が重大な挑戦に晒されていると謳っています。

言うまでもなく我が国日本は、他の先進諸国と同様、自由、民主主義、基本的人権の尊重、法の支配といった普遍的価値を擁護する立場であります。

対して日本を取り巻く普遍的価値を共有しない一部の国の動向について触れています。

中国の安全保障上の動向について

中国は、「中華民族の偉大な復興」、今世紀半ばまでの「社会主義現代化強国」の全面的完成、早期に人民解放軍を「世界一流の軍隊」に築き上げることを明確な目標としている。中国は、このような国家目標の下、国防費を継続的に高い水準で増加させ、十分な透明性を欠いたまま、核・ミサイル戦力を含む軍事力を広範かつ急速に増強している。


また、中国は、我が国の尖閣諸島周辺における領海侵入や領空侵犯を含め、東シナ海、南シナ海等における海空域において、力による一方的な現状変更の試みを強化し、日本海、太平洋等でも、我が国の安全保障に影響を及ぼす軍事活動を拡大・活発化させている。さらに、中国は、ロシアとの戦略的な連携を強化し、国際秩序への挑戦を試みている。


中国は、世界第二位の経済力を有し、世界経済を牽引する国としても、また、気候変動を含む地球規模課題についても、その国際的な影響力にふさわしい更なる取組が国際社会から強く求められている。しかし、中国は、主要な公的債権国が等しく参加する国際的な枠組み等にも参加しておらず、開発金融等に関連する活動の実態も十分な透明性を欠いている。また、経済面での安全を確立すべく、戦略的な取組を強化しており、他国の中国への依存を利用して、相手国に経済的な威圧を加える事例も起きている。


中国は、台湾について平和的統一の方針は堅持しつつも、武力行使の可能性を否定していない。さらに、中国は我が国近海への弾道ミサイル発射を含め台湾周辺海空域において軍事活動を活発化させており、台湾海峡の平和と安定については、我が国を含むインド太平洋地域のみならず、国際社会全体において急速に懸念が高まっている。中国が、首脳レベルを含む様々なレベルでの意思疎通を通じて、国際社会と建設的な関係を構築すること、また、我が国を含む国際社会との対話と協力を重ねること等により、我が国と共にインド太平洋地域を含む国際社会の平和と安定に貢献することが期待されている。


しかしながら、現在の中国の対外的な姿勢や軍事動向等は、我が国と国際社会の深刻な懸念事項であり、我が国の平和と安全及び国際社会の平和と安定を確保し、法の支配に基づく国際秩序を強化する上で、これまでにない最大の戦略的な挑戦であり、我が国の総合的な国力と同盟国・同志国等との連携により対応すべきものである

北朝鮮の安全保障の動向

朝鮮半島においては、韓国と北朝鮮双方の大規模な軍事力が対峙している。北朝鮮は、累次の国連安保理決議に従った、全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法での廃棄を依然として行っていない。現在も深刻な経済的困難に直面しており、人権状況も全く改善しない一方で、軍事面に資源を重点的に配分し続けている。
北朝鮮は、近年、かつてない高い頻度で、新たな態様での弾道ミサイルの発射等を繰り返し、急速にその能力を増強している。特に、米国本土を射程に含む大陸間弾道ミサイル(ICBM)級弾道ミサイルの発射、変則軌道で飛翔するミサイルを含む新たな態様での発射、発射台付き車両(TEL)・潜水艦・鉄道といった様々なプラットフォームからの発射等により、ミサイル関連技術及び運用能力は急速に進展している。

さらに、北朝鮮は、核戦力を質的・量的に最大限のスピードで強化する方針であり、ミサイル関連技術等の急速な発展と合わせて考えれば、北朝鮮の軍事動向は、我が国の安全保障にとって、従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威となっている。
北朝鮮による拉致問題は、我が国の主権と国民の生命・安全に関わる重大な問題であり、国の責任において解決すべき喫緊の課題である。また、基本的人権の侵害という国際社会の普遍的問題である。

ロシアの安全保障の動向

ロシアによるウクライナ侵略等、ロシアの自国の安全保障上の目的達成のために軍事力に訴えることを辞さない姿勢は顕著である。また、ロシアは核兵器による威嚇ともとれる言動を繰り返している。
ロシアは、我が国周辺における軍事活動を活発化させている。我が国固有の領土である北方領土でもロシアは軍備を強化しているが、これは、特にオホーツク海がロシアの戦略核戦力の一翼を担う戦略原子力潜水艦の活動領域であることが、その背景にあるとみられる。
さらに、ロシアは、中国との間で、戦略的な連携を強化してきている。特に、近年は、我が国周辺での中露両国の艦艇による共同航行や爆撃機による共同飛行等の共同演習・訓練を継続的に実施するなど、軍事面での連携が強化されている。
ロシアの対外的な活動、軍事動向等は、今回のウクライナ侵略等によって、国際秩序の根幹を揺るがし、欧州方面においては安全保障上の
最も重大かつ直接の脅威と受け止められている。また、我が国を含むインド太平洋地域におけるロシアの対外的な活動、軍事動向等は、中国との戦略的な連携と相まって、安全保障上の強い懸念である。

日本が発展させるべき国益について

さて、日本を取り巻く環境が依然厳しさがなす中で、日本が発展させるべき国益について以上の3つを主張しています。

1 我が国の主権と独立を維持し、領域を保全し、国民の生命・身体・財産の安全を確保する。そして、我が国の豊かな文化と伝統を継承しつつ、自由と民主主義を基調とする我が国の平和と安全を維持し、その存立を全うする。また、我が国と国民は、世界で尊敬され、好意的に受け入れられる国家・国民であり続ける。
2 経済成長を通じて我が国と国民の更なる繁栄を実現する。そのことにより、我が国の平和と安全をより強固なものとする。そして、我が国の経済的な繁栄を主体的に達成しつつ、開かれ安定した国際経済秩序を維持・強化し、我が国と他国が共存共栄できる国際的な環境を実現する。
3 自由、民主主義、基本的人権の尊重、法の支配といった普遍的価値や国際法に基づく国際秩序を維持・擁護する。特に、我が国が位置するインド太平洋地域において、自由で開かれた国際秩序を維持・発展させる。

文章の中では、近年の日本の置かれた状況の中で、日本国民の誰しもが疑わない日本の国益を維持・発展させるにはどのような施策を打つべきなのかについての記載があります。

そこに関しては、皆様が実際に文書を読んだうえで考え判断いただければと思います。

僕自身は、概ね賛成するところが多いと思っています。法律を学んだ立場として日本国憲法9条は、日本人を拘束はしますが、外国人にしてみればそれを尊重したり従ったりする義務もありません。そういう意味では、憲法9条は、平和への担保とはなりえません。

他人に大金を貸すのに、物的保証である抵当権や人的保証である連帯保証人をつけずにお金を貸して、「相手は返済してくれるはず」と言っているお花畑であってはだめだと思います。

また、防衛費を増大すると軍国主義再来などと声高に主張している人がいますが、投票の力でコントロールが可能な自国とコントロールできない他国のどちらに重きを置くかということがあると思います。

また、今回の政府の文書に対し、中国や北朝鮮が反発しているところを見ると日本の姿勢が両国の思惑にとって邪魔であり、効果的であるという証拠であり戦争確立を減らすことに貢献すると思われます。

 

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