7月10日は、参議院議員の国政選挙があります。各政党の政策や主張を見聞きすると今回の争点はおおよそ次の通りになるのかなと思います。
- 景気対策・・・失われた20年間(20年以上国民の所得が上がらないばかりか、所得が下がってしまっていること)への対策(減税や物価上昇への対応等)
- エネルギー対策・・・ウクライナ戦争等の影響から電力価格上昇に伴い、節電要請などがありますが、今後のエネルギー政策について
- 円安対策・・・一部の政党で円安を是正するための金利引き上げなどが主張されています。
- 安全保障問題・・・日本を取り囲む覇権主義国家に対応するための国防費増額等
どれも重要な国政上の課題ですが、とりわけ各政党が声を大にして「失われた30年間」を主張していて、事実、日本の初任給は、51歳の僕が新卒だったころとほぼ変わっていません。20万円くらい?
一方、ネットなんかを見ると、アメリカの初任給は49万円くらいで、スイスに至っては70万円台だという話しを聞きます。(情報の裏付けは取っていませんが・・・)いずれにしろ賃金が上がっていないことは確かかと思います。
51年間の人生を振り返ると、昭和から平成、令和と時代が移り変わる中で、大学生のときにバブル経済崩壊を迎え、就職時はバブル崩壊後という時代でした。大学生時代の世の雰囲気を思い返すと、世の中は、バブル経済に浮かれていたかと思います。TVでは、バイト情報誌が高時給のバイトを謳っていたし、先輩たちは、就職説明会に参加すると、交通費名目でいくらかの金銭が給付されたりもあったようです。
竹下内閣によるふるさと創生金という名目で全国の自治体に1億円をばらまく的な政策が行われていたりしました。
平成の初期は、バブル後遺症なんて言われて、なかなか景気が上向かない状況が続き、経済大国第2位も陥落し、そこから気が付けば失われた30年間になってしまっていた訳です。
では、何故失われた30年間が生まれてしまったのでしょうか?
なんだか、20年に当てはまるものとして、ちょうど25年くらい前くらいから消費税が導入されたので、消費税と無関係ではないのではないのかな?という疑問が湧きます。
勿論、社会保障は重要ではありますが・・・
大学時代に経済学など真面目に勉強をしてこなかったため、今更ながらいろいろと勉強をしてみるといろいろなことが分かります。
目次
財務省の資料
僕は、経済については素人ですが、財務省のHPを見ると、何故、消費税が必要なのかについてのわかりやすい資料があります。
以下にURLを貼り付けます。
財務省が主張する点は、主に次の通りになるかと思います。
- 日本は、歳出不足を国債(借金)に頼っており、国債残高(借金)が年々累積していて赤字大国である。
- 少子高齢化による社会保障の財源不足を賄うために、消費税は必要財源である。
- プライマリ―バランスを黒字化するために財政を緊縮化していく必要がある。
プライマリーバランスとは・・・社会保障や公共事業をはじめ様々な行政サービスを提供するための経費(政策的経費)を、税収等で賄えているかどうかを示す指標です。現在、日本のPBは赤字であり、 政策的経費を借金で賄っている状況です
一方で、外国の格付け会社が、日本の財政状況をみて、日本国債を低く格付けしたものに対し、外国格付け会社に対し意見書を出しています。これも、同じ財務省のHPに記載されています。
以下にURLを貼り付けます。
財務省自身が説明をしていますが、同じ日本の財政状況について次の様に述べています。
- マクロ的に見れば、日本は世界最大の貯蓄超過国
- その結果、国債はほとんど国内で極めて低金利で安定的に消化されている
- 日本は世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高
国内向けには、危機を煽って増税や緊縮財政を謳う。対外向けには、経常黒字国でまったく不安はない。
どちらが、正解なのでしょうか?識者の中には、
彼らは国民にはメディアを通して財政危機を煽りながら、国外には日本の財政は強固なものであると発信する、二つの顔を使い分けているのではないでしょうか?
と言う人もいます。
消費税と停滞の関連性
経済の問題は、非常に難しくて何が正解かはわかりませんが、消費税と経済の停滞に関連性があると仮定し、いろいろ調べてみると次の様に主張する人達がある一定数います。
先ず、先の財務省の資料からもわかる通り国の税収は1990年から明確に停滞しています。
彼らが主張する税収の停滞理由は、次の2つです。
- デフレ不況への突入によって名目GDPが停滞した
- 89年に導入した消費税の増税路線と日銀の金融引き締め政策よって消費が停滞した
じつは税収が減った1番の原因は税収を増やす為に行った増税路線だったとの事です。そしてデフレを脱却できない限り、停滞からも抜け出せない。国民の所得も上がらない。ひいては税収も上がらない(国民に負担をさせることなく自然増とはならない)となります。
どうやらデフレからの脱却が、国民所得を上げる鍵の様です。
どうすればデフレから脱却できるか?
彼らの主張するデフレ脱却のポイントは、マネタリーベースの拡大になります。彼らの主張を引用します。
マネタリーベースとは・・・「日本銀行が供給する通貨」のことです。具体的には、市中に出回っているお金である流通現金(「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」)と「日銀当座預金」の合計値です。つまり世の中に存在する通貨の合計になります。
マネタリーベースの拡大は物価を上昇させることで景気を拡大させます。
景気を刺激するマネタリーベースの拡大を
『金融緩和』
景気を冷ますマネタリーベースの縮小を
『金融引き締め』といいます。
では、何故お金(通貨)が増えると物価が上昇するのでしょうか?
世の中の物価はモノとお金の量のバランスで決まる
例えば今、世の中に物の量が溢れており、お金の量が少ないとします。すると、モノに対してお金に希少性が生まれ、『モノの価値<お金の価値』という状態になります。
これが、日本が長く苦しんだデフレーションです。
デフレーションでは世の中の消費が低下することでさらに物価は下落し、経済が停滞してしまいます。
デフレーションから脱却するには、世の中のお金の量を増やしてお金の価値を下げる必要があるのです。つまり金融緩和によって、インフレーションを起こすということです。
インフレーションは、消費が活発化して経済に活気を与えます。もちろん供給力の低下や、過度な通貨発行によって起こるハイパーインフレーションは警戒する必要があります。
しかし、マイルドやインフレーションは経済に好循環を与えるのです。
マネタリーベースの波及経路
岩田規久男元日本銀行副総裁によると中央銀行がマネタリーベースの拡大にコミットメントすることで、市場にはインフレ期待が形成されます。
①インフレ率の上昇
マネタリーベースの拡大は日本円の外貨に対する希少性の低下をもたらし、為替市場では日本円は売られてやすくなります。結果として為替レートは円安方向に向かいます。
②円高是正
為替レートが円安に傾くと、輸出企業の株価は上がり、利益も増加します。株式や不動産などの資産価格が上昇することで、企業の設備投資や人材投資が活発化します。
結果として、求人が増加して雇用が改善するのです。雇用が改善して人手不足になれば、賃金も上昇していくこととなります。
③雇用の増加
雇用の増加とともに起こり始めるのは物価の上昇です。資産価格の上昇や設備投資の増加は、国内のお金は貯蓄から投資や消費に向かわせます。この結果として物価が上昇します。
④物価の上昇
マネタリーベースと失われた30年
失われた20年の根本的な原因は、マネタリーベースを増やしてこなかったことです。
例えば2008年9月におこったアメリカの大手投資銀行リーマンブラザーズの破綻による世界金融危機(リーマンショック)を例にとります。
このとき、アメリカやEUの中央銀行はデフレ不況を回避する為に、大きくマネタリーベースを拡大させました。当時の日本銀行は金融緩和政策をおこないませんでした。
この結果、主要通貨に対して希少性が増した日本円はの為替レートは過度な円高に陥り、惨憺たる円高不況へと突入したのです。
時は移り、アベノミクス開始のときに140兆円だったマネタリーベースを、2年間で2倍の280兆円までマネタリーベースを増やすと発表しました。そのことにより株価が上昇しています。
マネタリーベースの変動は下記の通りです。
株価とマネタリーベースには関連性があります。株価の上昇した安倍内閣でしたが、結果的にはデフレの脱却ができませんでした。何故でしょうか?せっかくインフレの兆しを見せた景気動向に消費税の10%増税とコロナウィルスが景気に冷や水を浴びせたからだと思います。
財務省の言う、財政再建とデフレ脱却のどちらを優先させるべきでしょうか?なんだか財務省は国民を見ず、省益のためだけに動いているように思えます。
ここまで見てくると、おのずと答えは見えてくるように思います。まず、某革新政党の経済対策は、円安阻止の金利引き上げを主張しています。デフレを死守しようとしているように思えます。金利が上がると変動利率で住宅ローンを組んでいる借金世帯は、非常に家計が苦しくなり、逆に家計を圧迫することになりそうです。
消費税廃止を主張している政党もいますが、付け焼刃の知識では到底、財務官僚に太刀打ちできるとは思えません。そういう意味では彼らの主張は、絵にかいた餅で現実性に欠けます。
しかし、僕らの投票次第では、次の数年の未来が決まってしまいます。誰に投票していいか決めかねるという人も多いとは思いますが、間違った選択をしないために我々国民も学習をし、知識を得ることは重要だと思います。法律もそうですが、知らないという事は、結局知っている人間に搾取されがちです。
僕が学んだ知識も逆の意見があり、真実ではないかもしれません。今までやって効果がないものは、思い切って逆に舵を切ることは事態の打開になるかもしれません。そういう意味では、現状の失われた30年間を作り上げたのは、無関心で人任せで学ぶことを怠ってきた我々国民の側にもあるのかもしれません。











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