相続手続きに欠かせない戸籍について記したいと思います。
役所に行くと、戸籍謄本やら戸籍抄本やら除籍謄本、改正原戸籍、身分証明書など様々な種類があり、何かの提出を求められる際、いったいどの種類を取ればいいのか?と迷われることも多いかと思います。
そこで今回は、戸籍についてを記したいと思います。
目次
Ⅰ.戸籍の種類
戸籍の種類につきましては、大きく分類して下記の4つに分類することができます。
- 現在戸籍(コンピュータ化戸籍)
- 平成改正原戸籍
- 除籍謄本(抄本)
- 改正原戸籍
現在戸籍は、その戸籍に記録された人が健在の場合、現在戸籍として取得することができます。その戸籍に記録された人が、結婚による分籍や死亡による除籍、本籍地の転籍などにより誰もいなくなった戸籍を除籍謄本(抄本)といいます。
戸籍は、法改正により現在とれる戸籍(除籍されてから150年)の中では、改製(戸籍の作り直し)が二度行われています。つまり、法改正により強制的に作り替えられることとなります。
これを改正原戸籍(かいせいげんこせき)あるいは(かいせいはらこせき)と言います。
そして、多くの自治体で、1.の健在である者がいる現在戸籍(戸籍全部事項証明書)の取得手数料は、450円
2.~4.の除籍謄本、改製原戸籍等は、取得手数料は、750円となります。
Ⅱ.戸籍の「謄本」と「抄本」
まず「謄本」と「抄本」の違いについてです。
通常戸籍は、家族単位で登録されているものになりますが、結婚をすると分籍し、親の戸籍から独立した戸籍が作成されます。また、離婚をした際も、その配偶者は、筆頭者である夫(妻)の戸籍から分籍いたします。(筆頭者の戸籍はそのままです)
この登録されている家族全員の情報が記載されたもの、全部の写しを「謄本」といいます。
これに対し、筆頭者のみですとか、ご自身のみの情報ですとか一部の写しを「抄本」といいます。
ですので、相続などの家族関係の情報が必要な場合は「謄本」になり、許認可などで本人の情報のみ必要な場合は、「抄本」になります。
平成9年の改正により戸籍の電子化が進められた後においては、
戸籍謄本を「戸籍全部事項証明書」戸籍抄本を「戸籍一部事項証明書」といいます。
また、戸籍に登録された全員が死亡するか、別の地へ転出し戸籍が空になった場合、戸籍は除籍となり、この除籍となった戸籍を除籍簿といいます。除籍については、除籍謄本(抄本)を役所に請求して取ることができます。
Ⅲ.戸籍の歴史
日本で戸籍制度ができたのは、明治5年のことで、その年の戸籍を壬申戸籍といいます。それまでは、お寺などの「宗門帳」や「人別帳」が戸籍の代わりを担っていました。
戦前の戸籍は、「家督相続」の時代で、基本的には、戸主は「長男」となり父親が亡くなると、配偶者はさておき「長男」が相続することとなっておりました。
また、長男以下の二男・長女等の兄弟姉妹は、婚姻をし新たな戸籍に入籍するまでは長男の戸籍に連なることとなっておりました。戸主が隠居するなどの理由で、長男に戸主が変更されることもありました。
市区町村によって時期が異なりますが、昭和32 年の法務省令による改製は、3代戸籍(祖父母から孫まで)を廃止し、2代戸籍(夫婦と子供のみで編製→現在も同じ)となりました
戸籍がある場所を「本籍」といい、基本的には本籍はどこにおいてもよい事になっております。例えば、千代田区大手町1-1だったり、富士山の所在地だったりと自由に置くことができます。ただし、戸籍関連の書類を取りたい場合は、本籍地に赴くか郵送での取得になりますので、便を考慮すると住所地と同じという方が何かと便利でしょう。
上記理由から、人は人生のうちに何度か本籍を変えることがままあります。新しく戸籍が作られると、その前の戸籍で除籍となった人は、新しい戸籍には記載されません。
人が亡くなった場合、身分関係を調べるには戸籍が作り替えられるたびに抜け落ちる人がいたりするため、出生まで遡らないと相続人を確定することができません。ですので死亡時のご家族は、「推定相続人」ということになります。
出生まで遡った戸籍一式を取り揃え、はじめて相続手続きが行えることとなります。
相続の仕事は、この戸籍を収集することから始まります。遡っていくと、過去に認知した子の存在や養子縁組をしていたなど、新たに相続人が増えることもあり、争いに発展することもありますが、日本の法律は、遺産分割協議は、相続人全員での協議が必要で、誰か一人でも欠けた状態で協議が成立したとしても無効となってしまいます。
私が、受任した相続のケースでは、遡ること「天保13年」「嘉永3年」という年代のものまででてきたケースがあります。嘉永3年は、調べると1850年だそうです。新選組の土方歳三なんかと同世代のようです。
Ⅳ.戸籍の見方
戸籍の見方について解説いたします。
現在戸籍(コンピュータ化戸籍)につきましては、横書きで記載されています。対して、平成改正原戸籍以前の戸籍につきましては、縦書きとなっています。


現在戸籍の基本的な構造は、4つの窓に分かれています。
それぞれ記載されていることは次となります。
- 本籍、筆頭者氏名
- 戸籍事項(戸籍の編製事由、編製日)
- 戸籍に記録されている人
- 上記の人の身分事項(出生、婚姻、離婚、養子縁組、死亡)
筆頭者は、死亡してもその戸籍に健在の方がいる限り変わりません。
戸籍事項には、この戸籍の編製された理由が記載されます。例えば、婚姻により編製だとか、転籍により編製、戸籍のコンピュータ化による改正などになります。
婚姻や転籍の場合、この欄に従前戸籍ということで、以前の本籍地が記載されます。
この戸籍が編製された日以前に除籍になった人は、記載されないこととなります。
3.と4.に関しましては、その戸籍に在籍する人ごとに下に連なり記載されます。
3.の欄には、その記録されている人の出生日、父・母、養親等、その続柄が必ず記載されます。
Ⅴ.戸籍の附票
次は戸籍の附票についてです。戸籍には、住所地が記載されません。しかし、この附票を取ると、その人の住所の移り変わりを調べることができます。転居先の市町村で住民登録をすると、本籍地の市町村に送付され附票に現住所が記載されることとなります。
昔は、誰でも他人の戸籍を取ることができ、夜逃げをしても附票から現住所を割り出されてしまったりということが頻繁にあったようですが、現在では、他人の戸籍を取ることは、本人の委任状又は、正当な理由がない限り取ることができません。
以上、戸籍についてでした。











