賃貸借契約の現状回復義務について

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梅の画像

3月・4月は新しい生活の始まりということで実家を離れ一人暮らしを始める人など 新たな土地にて生活をはじめる人も多いかと思います。

憧れの都会生活や人気のある土地での新生活 今新生活を迎えようやく自分の居場所ができつつあり、新しい出会いやもしかしたらときめく出会いなんかもあって、希望の人生を歩き始めたなんてこともあるかもしれません・・・


ところで、大学生や社会人となり住居を探し、なんとなく自分の城・生活の拠点を定めアパートや賃貸マンションを借り、狭いながらも自分の城だなぁ~なんて

期待を胸にわくわくした生活を送っている方も多いかもしれません。

言わずもなが、住居を借りるということは法律上は、賃貸借契約という契約になります。

I.賃貸借契約の定義

賃貸借契約は、民法601条に定めがあり

賃貸借は、当事者の一方がある物の使用収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を払うこと及び引き渡しを受けた物を契約が終了した時に返還することを約することによってその効力を生ずる

と規定があります。

その他細則にわたり法律による取り決めがございますが、最もトラブルとなりがちなことが、原状回復義務敷金の問題となります。


II.現状回復義務

民法621条に

「賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷がある場合において、賃借物が終了したときは、その損傷を現状に復する義務を負う。但し、その損傷が賃借人の責めに帰すことができない事由によるものであるときは、この限りでない。」

とあります。

要するに退去する際に畳・壁紙全取り換えの費用請求をされたとか・・・

法外なクリーニング代を請求されたとかで賃貸人ともめるケースが多々あります。

これに関しては実は、国土交通省に現状回復に関するトラブルとガイドラインという国のトラブルに関する見解がございます。

ガイドラインによると、賃貸借契約は、一般の民間人の契約における契約の自由の原則により、貸す側と借りる側の双方の合意に基づいて行われるものですが退去時にどちらの負担で原状回復を行うことが妥当なのかでトラブルが発生した場合の見解を示しています。

原状回復の定義を

”賃借人の居住・使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失・善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること”

とあります。

つまり賃借人が借りた当時の状態に戻すことではないことを明確化しています。


Ⅲ.国土交通省のガイドライン

更にどの様な時に賃借人が原状回復義務を負うかということに関して

  1. 賃借人が通常の住まい方・使い方をしていて発生するものと考えられるもの
  2. 住まい方・使い方次第で発生したりしなかったりすると考えられるもの(明らかに通常の使用による結果とはいえないもの)
  3. 経年劣化・通常の使用の結果ではあるが、その後の管理が悪く損耗が発生または拡大したと考えられるもの

aに関しましては賃借人の原状回復義務は必要なしと言っており、bcに関して原状回復の必要がある旨を示しています。

ですので、通常使用していて畳の色が日焼けしたり襖が日焼けしたり、壁に画びょう穴があったり、畳に家具の脚の跡がついたりというものは通常使用の範囲にありますので、この部分に関し退去時に請求された場合は、不当請求の可能性がございます。

契約当時の契約書にこの部分の責任について書いてある場合もありますので、

契約の際にはよくよく確認をしてください。

ポイントは、その価値減少に故意・過失・善管注意義務違反、通常使用を超えた使用という部分になります。

善管注意義務とは、賃借人として社会通念上要求される程度の注意を払って賃借物を使用する義務になります。


トラブルに巻き込まれた場合は、行政書士としましては、内容証明郵便などで貸主に主張することができますので、ご相談ください。

http://www.j-takagi-office.com/ まで

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